犯罪捜査規範

 

最終更新日 2017/09/13

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★ 犯罪捜査規範: 2013年1月、フリーのアナウンサーがホテルの駐車場内で死亡交通事故を起こすという事件がありましたが、Netでは「有名人だから逮捕されないのか?」という疑問や、それに対しての回答などが掲載されていました。そして、逮捕は「犯罪捜査規範」に則って行うという表記があったので「犯罪捜査規範」とはなんぞやということで調べてみました。

犯罪捜査規範

・ 昭和三十二年七月十一日国家公安委員会規則第二号
・ 最終改正:平成二四年六月二一日国家公安委員会規則第八号
 
(この規則の目的)
第一条  この規則は、警察官が犯罪の捜査を行うに当つて守るべき心構え、捜査の方法、手続その他捜査に関し必要な事項を定めることを目的とする。

(捜査の基本)
第二条  捜査は、事案の真相を明らかにして事件を解決するとの強固な信念をもつて迅速適確に行わなければならない。
2  捜査を行うに当つては、個人の基本的人権を尊重し、かつ、公正誠実に捜査の権限を行使しなければならない。

(法令等の厳守)
第三条  捜査を行うに当たつては、警察法 (昭和二十九年法律第百六十二号)、刑事訴訟法 (昭和二十三年法律第百三十一号。以下「刑訴法」という。)その他の法令及び規則を厳守し、個人の自由及び権利を不当に侵害することのないように注意しなければならない。

(合理捜査)
第四条  捜査を行うに当たつては、証拠によつて事案を明らかにしなければならない。
2  捜査を行うに当たつては、先入観にとらわれず、根拠に基づかない推測を排除し、被疑者その他の関係者の供述を過信することなく、基礎的捜査を徹底し、物的証拠を始めとするあらゆる証拠の発見収集に努めるとともに、鑑識施設及び資料を十分に活用して、捜査を合理的に進めるようにしなければならない。

(総合捜査)
第五条  捜査を行うに当つては、すべての情報資料を総合して判断するとともに、広く知識技能を活用し、かつ、常に組織の力により、捜査を総合的に進めるようにしなければならない。

(着実な捜査)
第六条  捜査は、安易に成果を求めることなく、犯罪の規模、方法その他諸般の状況を冷静周密に判断し、着実に行わなければならない。

(公訴、公判への配慮)
第七条  捜査は、それが刑事手続の一環であることにかんがみ、公訴の実行及び公判の審理を念頭に置いて、行わなければならない。特に、裁判員の参加する刑事裁判に関する法律 (平成十六年法律第六十三号)第二条第一項 に規定する事件に該当する事件の捜査を行う場合は、国民の中から選任された裁判員に分かりやすい立証が可能となるよう、配慮しなければならない。

(規律と協力)
第八条  捜査を行うに当たつては、自己の能力を過信して独断に陥ることなく、上司から命ぜられた事項を忠実に実行し、常に警察規律を正しくし、協力一致して事案に臨まなければならない。

(秘密の保持等)
第九条  捜査を行うに当たつては、秘密を厳守し、捜査の遂行に支障を及ぼさないように注意するとともに、被疑者、被害者(犯罪により害を被つた者をいう。以下同じ。)その他事件の関係者の名誉を害することのないように注意しなければならない。
2  捜査を行うに当たつては、前項の規定により秘密を厳守するほか、告訴、告発、犯罪に関する申告その他犯罪捜査の端緒又は犯罪捜査の資料を提供した者(第十一条(被害者等の保護等)第二項において「資料提供者」という。)の名誉又は信用を害することのないように注意しなければならない。

(関係者に対する配慮)
第十条  捜査を行うに当つては、常に言動を慎み、関係者の利便を考慮し、必要な限度をこえて迷惑を及ぼさないように注意しなければならない。

(被害者等に対する配慮)
第十条の二  捜査を行うに当たつては、被害者又はその親族(以下この節において「被害者等」という。)の心情を理解し、その人格を尊重しなければならない。
2  捜査を行うに当たつては、被害者等の取調べにふさわしい場所の利用その他の被害者等にできる限り不安又は迷惑を覚えさせないようにするための措置を講じなければならない。

(被害者等に対する通知)
第十条の三  捜査を行うに当たつては、被害者等に対し、刑事手続の概要を説明するとともに、当該事件の捜査の経過その他被害者等の救済又は不安の解消に資すると認められる事項を通知しなければならない。ただし、捜査その他の警察の事務若しくは公判に支障を及ぼし、又は関係者の名誉その他の権利を不当に侵害するおそれのある場合は、この限りでない。

(被害者等の保護等)
第十一条  警察官は、犯罪の手口、動機及び組織的背景、被疑者と被害者等との関係、被疑者の言動その他の状況から被害者等に後難が及ぶおそれがあると認められるときは、被疑者その他の関係者に、当該被害者等の氏名又はこれらを推知させるような事項を告げないようにするほか、必要に応じ、当該被害者等の保護のための措置を講じなければならない。
2  前項の規定は、資料提供者に後難が及ぶおそれがあると認められる場合について準用する。

(研究と工夫)
第十二条  警察官は、捜査専従員であると否とを問わず、常に捜査関係法令の研究および捜査に関する知識技能の習得に努め、捜査方法の工夫改善に意を用いなければならない。

(備忘録)
第十三条  警察官は、捜査を行うに当り、当該事件の公判の審理に証人として出頭する場合を考慮し、および将来の捜査に資するため、その経過その他参考となるべき事項を明細に記録しておかなければならない。

(捜査の回避)
第十四条  警察官は、被疑者、被害者その他事件の関係者と親族その他特別の関係にあるため、その捜査について疑念をいだかれるおそれのあるときは、上司の許可を得て、その捜査を回避しなければならない。

(捜査員)
第二十一条  警察官は、上司の命を受け、犯罪の捜査に従事する。
2  警察官以外の捜査関係職員が、警察官を助けて職務を行う場合には、この規則の規定に従わなければならない。
※ 警察官以外の捜査関係職員って誰?鑑識課員は警察官だろうしなぁ。

(新聞発表等)
第二十五条  捜査に関し、新聞その他の報道機関等に発表を行うときは、警察本部長若しくは警察署長(捜査本部を設置した場合においては捜査本部長)又はその指定する者がこれに当たらなければならない。
※ よく夜討ち朝駆けと言う言葉があるが、個々の警察官がマスコミにネタをばらすのは問題だと思うし、また「明日には家宅捜査に入る予定」なんて情報はどこから漏れるの?

(指名手配の種別)
第三十二条  指名手配を行うに当つては、被疑者を逮捕した場合における身柄の処置につき、次のいずれであるかを明らかにしなければならない。
一  第一種手配(身柄の護送を求める場合の手配をいう。)
二  第二種手配(身柄を引取に行く場合の手配をいう。)
2  指名手配は、原則として第一種手配によるものとする。
※ 指名手配に種類があるとは知らなかった。

(指名手配の継続)
第三十三条  指名手配をした場合においては、常に逮捕状の有効期間に注意し、有効期間経過後もなお手配継続の必要があるものについては、逮捕状の再発付を受け、その有効期間を通報しなければならない。

(品触れ)
第三十六条  古物営業法 (昭和二十四年法律第百八号)第十九条第一項 若しくは第三項 又は質屋営業法 (昭和二十五年法律第百五十八号)第二十一条第一項 に規定する品触れ(以下「品触れ」という。)は、これを次の三種に区分するものとする。
一  特別重要品触れ(捜査本部に係る事件について発する品触れをいう。)
二  重要品触れ(前号の事件以外の重要な事件について発する品触れをいう。)
三  普通品触れ(その他の事件について発する品触れをいう。)
2  品触れは、前項の区分を明らかにして発しなければならない。
3  前条第二項の規定は、品触れについて準用する。
4  品触れを発したときは、品触原簿(別記様式第三号)及び品触取扱簿(別記様式第四号)により、それぞれ、その状況を明確にしておかなければならない。

(身柄引渡しの原則)
第四十一条  指名手配のあつた被疑者を逮捕した警察(以下「逮捕警察」という。)は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、被疑者の身柄をその指名手配をした警察(以下「手配警察」という。)に引渡さなければならない。
一  逮捕警察が、手配を受けた犯罪より法定刑が重い別の犯罪をその管轄区域において犯した被疑者を逮捕したとき。
二  逮捕警察が、手配を受けた犯罪と法定刑が同等以上の別の犯罪で手配をしていた被疑者を逮捕したとき。
三  逮捕警察が、手配被疑者に関連する犯罪で、既にその正犯又は共同正犯である被疑者の一部を逮捕しているとき。
2  同一被疑者について、二以上の手配警察がある場合には、次の各号に定める手配警察にその身柄を引き渡さなければならない。
一  手配を受けた犯罪について、その法定刑に軽重があるとき(次号に規定する場合に該当する場合を除く。)は、重い犯罪を手配した警察
二  手配を受けた犯罪で、既にその正犯又は共同正犯である被疑者の一部を逮捕している警察があるときはその警察
三  前二号に規定する場合のほかは、先に手配をした警察
3  前二項に規定する身柄引渡しの原則により難い事情があるときは、警察本部長の決するところによる。

(捜査に関する協力)
第四十五条  警察官は、捜査に関し、検察官と互に協力しなければならない。
2  警察本部長または警察署長は、その捜査する事件について、公訴を実行するため、あらかじめ連絡しておく必要があると認めるときは、すみやかに、犯罪事実の概要その他の参考となるべき事項を検察官に連絡しなければならない。

(一般的指示)
第四十六条  警察官は、司法警察職員捜査書類基本書式例その他の刑訴法第百九十三条第一項 の規定に基づき検察官から示された一般的指示があるときは、これに従つて捜査を行わなければならない。
(共助の原則)
第五十条  刑訴法第百九十条 の規定により別に法律で定められた司法警察職員またはこれに準ずる者(以下「特別司法警察職員等」という。)との共助に関しては、共助協定その他の特別の定があるときはその規定するところによるほか、この節の規定によるものとする。

(捜査書類の作成)
第五十五条  捜査を行うに当つては、司法警察職員捜査書類基本書式例による調書その他必要な書類を明確に作成しなければならない。
2  書類の作成に当つては、事実をありのままに、かつ、簡潔明瞭に表現することを旨とし、推測、誇張等にわたつてはならない。

(署名・押印等)
第五十六条  書類には、特別の定がある場合を除いては、年月日を記載して署名押印し、所属官公署を表示しなければならない。
2  押印は、原則として認印をもつてするものとする。
3  書類(裁判所又は裁判官に対する申立て、意見の陳述、通知その他これらに類する訴訟行為に関する書類を除く。)には、毎葉に契印するものとする。ただし、その謄本又は抄本を作成する場合には、契印に代えて、これに準ずる措置をとることができる。
4  書類の余白または空白には、斜線を引き押印するものとする。

(文字の加除)
第五十七条  書類を作成するに当たつては、文字を改変してはならない。文字を加え、又は削るときは、その範囲を明らかにして、訂正した部分に押印しなければならない。ただし、削つた部分は、これを読むことができるように字体を残さなければならない。

(書類の代書)
第五十八条  本人が文盲である等やむを得ない理由で書類を代書した場合には、代書事項が本人の意思と相違がないことを確かめた上、代書の理由を記載して署名押印しなければならない。
   第二章 捜査の端緒

(端緒の把握の努力)
第五十九条  警察官は、新聞紙その他の出版物の記事、インターネットを利用して提供される情報、匿名の申告、風説その他広く社会の事象に注意するとともに、警ら、職務質問等の励行により、進んで捜査の端緒を得ることに努めなければならない。

(手配の有無等の照会)
第六十条  職務質問に当り、必要があると認められるときは、直ちに、指名手配その他の手配または通報の有無、被害届の有無、鑑識資料の有無等を、電話その他適当な方法により、警視庁もしくは道府県警察本部または警察署に照会しなければならない。

(被害届の受理)
第六十一条  警察官は、犯罪による被害の届出をする者があつたときは、その届出に係る事件が管轄区域の事件であるかどうかを問わず、これを受理しなければならない。
2  前項の届出が口頭によるものであるときは、被害届(別記様式第六号)に記入を求め又は警察官が代書するものとする。この場合において、参考人供述調書を作成したときは、被害届の作成を省略することができる。

(告訴、告発および自首の受理)
第六十三条  司法警察員たる警察官は、告訴、告発または自首をする者があつたときは、管轄区域内の事件であるかどうかを問わず、この節に定めるところにより、これを受理しなければならない。
2  司法巡査たる警察官は、告訴、告発または自首をする者があつたときは、直ちに、これを司法警察員たる警察官に移さなければならない。

(書面による告訴および告発)
第六十五条  書面による告訴または告発を受けた場合においても、その趣旨が不明であるときまたは本人の意思に適合しないと認められるときは、本人から補充の書面を差し出させ、またはその供述を求めて参考人供述調書(補充調書)を作成しなければならない。

(被害者以外の者の告訴)
第六十六条  被害者の委任による代理人から告訴を受ける場合には、委任状を差し出させなければならない。
2  被害者以外の告訴権者から告訴を受ける場合には、その資格を証する書面を差し出させなければならない。
3  被害者以外の告訴権者の委任による代理人から告訴を受ける場合には、前二項の書面をあわせ差し出させなければならない。
4  前三項の規定は、告訴の取消を受ける場合について準用する。

(告訴事件および告発事件の捜査)
第六十七条  告訴または告発があつた事件については、特にすみやかに捜査を行うように努めるとともに、次に掲げる事項に注意しなければならない。
一  ぶ告、中傷を目的とする虚偽または著しい誇張によるものでないかどうか。
二  当該事件の犯罪事実以外の犯罪がないかどうか。

(資料に基く捜査)
第八十一条  捜査を行うに当つては、犯罪に関する有形または無形の資料、内偵による資料その他諸般の情報等確実な資料を収集し、これに基いて捜査を進めなければならない。特に被疑者の逮捕その他の強制処分を行うに当つては、事前にできる限り多くの確実な資料を収集しておかなければならない。

(鑑識資料の収集整備及び利用)
第八十二条  指掌紋、手口、写真その他の鑑識資料は、常に収集整備することに努め、捜査を行うに当たつては、それらの多角的利用を図らなければならない。

(参考資料の収集活用)
第八十三条  捜査を行つたときは、そのつど捜査の過程に反省検討を加え、これによつて得たあらゆる参考資料を収集して、事後の捜査に活用するように努めなければならない。

(現場臨検)
第八十四条  警察官は、現場臨検を必要とする犯罪の発生を知つたときは、捜査専従員たると否とを問わず、すみやかにその現場に臨み、必要な捜査を行わなければならない。
2  前項の場合において他に捜査主任官その他の者による現場臨検が行われるときは、確実に現場を保存するよう努めなければならない。

(現場における負傷者の救護等)
第八十五条  警察官は、現場を臨検した場合において負傷者があるときは、救護の処置をとらなければならない。
2  前項の場合において、ひん死の重傷者があるときは、応急救護の処置をとるとともに、その者から犯人の氏名、犯行の原因、被害者の氏名、目撃者等を聴取しておかなければならない。
3  前項の重傷者が死亡したときは、その時刻を記録しておかなければならない。

(原状のままの保存)
第八十六条  現場の保存に当つては、できる限り現場を犯罪の行われた際の状況のまま保存するように努め、現場における捜査が適確に行われるようにしなければならない。
2  負傷者の救護、証拠物件の変質および散逸の予防等特にやむを得ない事情のある場合を除いては、警察官であつても、みだりに現場に入つてはならない。

(現場保存の範囲)
第八十七条  警察官は、犯罪の行われた地点だけでなく広く現場保存の範囲を定め、捜査資料の発見に資するようにしなければならない。

(現場保存のための処置)
第八十八条  警察官は、保存すべき現場の範囲を定めたときは、直ちに、これを表示する等適切な処置をとり、みだりに出入する者のないようにしなければならない。この場合において、現場またはその附近に居合わせた者があるときは、その者の氏名、住居等を明確にしておくようにしなければならない。
2  現場において発見された捜査資料で、光線、雨水等により変質、変形または消失するおそれのあるものについてはおおいをする等適当な方法により、その原状を保存するように努めなければならない。

(現場保存ができないときの処置)
第八十九条  負傷者の救護その他やむを得ない理由のため現場を変更する必要があるときまたは捜査資料を原状のまま保存することができないときは、写真、見取図、記録その他の方法により原状を明らかにする処置をとらなければならない。

(現場における捜査の要点)
第九十条  現場において捜査を行うに当たつては、現場鑑識その他の科学的合理的な方法により、次に掲げる事項を明らかにするよう努め、犯行の過程を全般的に把握するようにしなければならない。
一  時の関係
イ 犯行の日時及びこれを推定し得る状況
ロ 発覚の日時及び状況
ハ 犯行当時における気象の状況
ニ その他時に関し参考となる事項
二  場所の関係
イ 現場に通ずる道路及びその状況
ロ 家屋その他現場附近にある物件及びその状況
ハ 現場の間取等の状況
ニ 現場における器具その他物品の状況
ホ 指掌紋、足跡その他のこん跡並びに遺留物件の位置及び状況
ヘ その他場所に関し参考となる事項
三  被害者の関係
イ 犯人に対する応接その他被害前の状況
ロ 被害時における抵抗、姿勢等の状況
ハ 傷害の部位及び程度、被害金品の種別及び数量等被害の程度
ニ 死体の位置及び創傷、流血その他の状況
ホ その他被害者に関し参考となる事項
四  被疑者の関係
イ 現場についての侵入及び逃走の経路
ロ 被疑者の数及び性別
ハ 犯罪の手段、方法その他犯罪実行の状況
ニ 被疑者の犯行の動機並びに被害者との面識及び現場についての知識の有無を推定し得る状況
ホ 被疑者の人相、風体、特徴、習癖その他特異な言動等
ヘ 凶器の種類、形状及び加害の方法その他加害の状況
ト その他被疑者に関し参考となる事項

(任意捜査の原則)
第九十九条  捜査は、なるべく任意捜査の方法によつて行わなければならない。

(承諾を求める際の注意)
第百条  任意捜査を行うに当り相手方の承諾を求めるについては、次に掲げる事項に注意しなければならない。
一  承諾を強制し、またはその疑を受けるおそれのある態度もしくは方法をとらないこと。
二  任意性を疑われることのないように、必要な配意をすること。

(聞込その他の内偵)
第百一条  捜査を行うに当つては、聞込、尾行、密行、張込等により、できる限り多くの捜査資料を入手するように努めなければならない。

(保全要請)
第百一条の二  刑訴法第百九十七条第三項 の規定による通信履歴の電磁的記録を消去しないことの求め及び当該求めの取消し並びに同条第四項 の規定による期間の延長をするときは、警察本部長又は警察署長の指揮を受けて行わなければならない。
2  通信履歴の電磁的記録を消去しないことの求め及び当該求めの取消し並びに期間の延長は、司法警察員たる警察官が行わなければならない。

(任意出頭)
第百二条  捜査のため、被疑者その他の関係者に対して任意出頭を求めるには、電話、呼出状(別記様式第七号)の送付その他適当な方法により、出頭すべき日時、場所、用件その他必要な事項を呼出人に確実に伝達しなければならない。この場合において、被疑者又は重要な参考人の任意出頭については、警察本部長又は警察署長に報告して、その指揮を受けなければならない。
2  被疑者その他の関係者に対して任意出頭を求める場合には、呼出簿(別記様式第八号)に所要事項を記載して、その処理の経過を明らかにしておかなければならない。

(逮捕状発付後の事情変更)
第百三条  逮捕状の発付されている場合であつても、その後の事情により逮捕状による逮捕の必要がないと認められるに至つたときは、任意捜査の方法によらなければならない。この場合においては、逮捕状は、その有効期間内であつても、直ちに裁判官に返還しなければならない。

(実況見分)
第百四条  犯罪の現場その他の場所、身体又は物について事実発見のため必要があるときは、実況見分を行わなければならない。
2  実況見分は、居住者、管理者その他関係者の立会を得て行い、その結果を実況見分調書に正確に記載しておかなければならない。
3  実況見分調書には、できる限り、図面及び写真を添付しなければならない。
4  前三項の規定により、実況見分調書を作成するに当たつては、写真をはり付けた部分にその説明を付記するなど、分かりやすい実況見分調書となるよう工夫しなければならない。

(被疑者の供述に基づく実況見分)
第百六条  被疑者の供述により凶器、盗品等その他の証拠資料を発見した場合において、証明力確保のため必要があるときは実況見分を行い、その発見の状況を実況見分調書に明確にしておかなければならない。

(女子の任意の身体検査の禁止)
第百七条  女子の任意の身体検査は、行つてはならない。ただし、裸にしないときはこの限りでない。

(人の住居等の任意の捜索の禁止)
第百八条  人の住居又は人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶につき捜索をする必要があるときは、住居主又は看守者の任意の承諾が得られると認められる場合においても、捜索許可状の発付を受けて捜索をしなければならない。

(逮捕権運用の慎重適正)
第百十八条  逮捕権は、犯罪構成要件の充足その他の逮捕の理由、逮捕の必要性、これらに関する疎明資料の有無、収集した証拠の証明力等を充分に検討して、慎重適正に運用しなければならない。

(通常逮捕状の請求)
第百十九条  刑訴法第百九十九条 の規定による逮捕状(以下「通常逮捕状」という。)の請求は、同条第二項 の規定に基き、公安委員会が指定する警部以上の階級にある司法警察員(以下「指定司法警察員」という。)が、責任をもつてこれに当らなければならない。
2  指定司法警察員が通常逮捕状を請求するに当つては、順を経て警察本部長または警察署長に報告し、その指揮を受けなければならない。ただし、急速を要し、指揮を受けるいとまのない場合には、請求後、すみやかにその旨を報告するものとする。

(緊急逮捕状の請求)
第百二十条  刑訴法第二百十条 の規定による逮捕状(以下「緊急逮捕状」という。)は、指定司法警察員または当該逮捕に当つた警察官がこれを請求するものとする。ただし、指定司法警察員がいないときは、他の司法警察員たる警察官が請求してもさしつかえない。
2  緊急逮捕した被疑者の身柄の処置については、順を経て警察本部長または警察署長に報告し、その指揮を受けなければならない。
3  被疑者を緊急逮捕した場合は、逮捕の理由となつた犯罪事実がないこともしくはその事実が罪とならないことが明らかになり、または身柄を留置して取り調べる必要がないと認め、被疑者を釈放したときにおいても、緊急逮捕状の請求をしなければならない。

(親告罪事件の逮捕状請求)
第百二十一条  逮捕状を請求するに当つて、当該事件が親告罪に係るものであつて、未だ告訴がないときは、告訴権者に対して告訴するかどうかを確かめなければならない。

(逮捕状請求の疎明資料)
第百二十二条  通常逮捕状を請求するときは、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があること及び逮捕の必要があることを疎明する被害届、参考人供述調書、捜査報告書等の資料を添えて行わなければならない。ただし、刑訴法第百九十九条第一項 ただし書に規定する罰金、拘留又は科料に当たる罪について通常逮捕状を請求するときは、更に、被疑者が定まつた住居を有しないこと又は正当な理由がなく任意出頭の求めに応じないことを疎明する資料を添えて行わなければならない。
2  緊急逮捕状を請求するときは、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる十分な理由があつたこと、逮捕の必要があつたこと及び急速を要し逮捕状を求めることができない理由があつたことを疎明する逮捕手続書、被害届その他の資料を添えて行わなければならない。

(請求のための出頭)
第百二十三条  逮捕状を請求するに当つては、なるべくその事件の捜査に当つた警察官が裁判官のもとに出頭しなければならない。
2  裁判官から特に当該逮捕状を請求した者の出頭を求められたときは、当該請求者が自ら出頭して、陳述し、または書類その他の物の提示に当らなければならない。

(逮捕状の記載の変更)
第百二十四条  逮捕状の発付を受けた後、逮捕前において、引致場所その他の記載の変更を必要とする理由が生じたときは、当該逮捕状を請求した警察官またはこれに代るべき警察官が、当該逮捕状を発付した裁判官またはその者の所属する裁判所の他の裁判官に対し、書面(引致場所の変更を必要とするときは、引致場所変更請求書)より逮捕状の記載の変更を請求するものとする。ただし、やむをえない事情があるときは、他の裁判所の裁判官に対して請求することができる。

(逮捕の際の注意)
第百二十六条  逮捕を行うに当つては、感情にとらわれることなく、沈着冷静を保持するとともに、必要な限度をこえて実力を行使することがないように注意しなければならない。
2  逮捕を行うに当つては、あらかじめ、その時期、方法等を考慮しなければならない。
3  警察本部長又は警察署長は、逮捕を行うため必要な態勢を確立しなければならない。
4  被疑者を逮捕したときは、直ちにその身体について凶器を所持しているかどうかを調べなければならない。
5  多数の被疑者を同時に逮捕するに当つては、個々の被疑者について、人相、体格その他の特徴、その犯罪事実および逮捕時の状況ならびに当該被疑者と証拠との関連を明確にし、逮捕、押収その他の処分に関する書類の作成、取調および立証に支障を生じないようにしなければならない。

(手錠の使用)
第百二十七条  逮捕した被疑者が逃亡し、自殺し、又は暴行する等のおそれがある場合において必要があるときは、確実に手錠を使用しなければならない。
2  前項の規定により、手錠を使用する場合においても、苛酷にわたらないように注意するとともに、衆目に触れないように努めなければならない。

(現行犯人を受け取つた場合の手続)
第百二十九条  警察官は、刑訴法第二百十四条 の規定により現行犯人を引き渡す者があるときは、直ちにこれを受け取り、逮捕者の氏名、住所および逮捕の事由を聞き取らなければならない。
2  前項の犯人を受け取つた警察官が司法巡査であるときは、すみやかにこれを司法警察員に引致しなければならない。

(司法警察員の処置)
第百三十条  司法警察員は、被疑者を逮捕し、又は逮捕された被疑者を受け取つたときは、直ちにその者について次に掲げる処置をとつた後、被疑者の留置の要否又は釈放について、警察本部長又は警察署長の指揮を受けなければならない。
一  犯罪事実の要旨を告げること。
二  弁護人を選任できる旨を告げること。
三  弁解の機会を与え、その結果を弁解録取書に記載すること。
2  司法警察員は、刑訴法第三十七条の二第一項 に規定する事件について前項第二号に掲げる処置をとるに当たつては、被疑者に対し、次に掲げる事項を教示しなければならない。
一  引き続き勾留を請求された場合において、貧困その他の事由により自ら弁護人を選任することができないときは、裁判官に対して弁護人の選任を請求することができること。
二  裁判官に対して弁護人の選任を請求する場合は、刑訴法第三十六条の二 に規定する資力申告書を提出しなければならないこと。
三  被疑者の資力が五十万円以上であるときは、あらかじめ、第一号の勾留の請求を受けた裁判官の所属する裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内に在る弁護士会に弁護人の選任の申出をしていなければならないこと。
3  司法警察員は、刑訴法第三十七条の二第一項 に規定する事件以外の事件について第一項第二号 に掲げる処置をとるに当たつては、被疑者に対し、刑訴法第二百九条 の規定により準用する刑訴法第七十八条第一項 の申出ができる旨を教示しなければならない。
4  被疑者が留置されている場合において、留置の必要がなくなつたと認められるときは、司法警察員は、警察本部長又は警察署長の指揮を受け、直ちに被疑者の釈放に係る措置をとらなければならない。
5  被疑者の留置の要否を判断するに当たつては、その事案の軽重及び態様並びに逃亡、罪証隠滅、通謀等捜査上の支障の有無並びに被疑者の年齢、境遇、健康その他諸般の状況を考慮しなければならない。

(弁護人選任の申出の通知)
第百三十二条  逮捕された被疑者が弁護人選任の申出をした場合において、当該弁護士、弁護士法人若しくは弁護士会又は父兄その他の者にその旨を通知したときは、弁護人選任通知簿(別記様式第十四号)に記載して、その手続を明らかにしておかなければならない。

(弁護人の選任)
第百三十三条  弁護人の選任については、弁護人と連署した選任届を当該被疑者または刑訴法第三十条第二項 の規定により独立して弁護人を選任することができる者から差し出させるものとする。
2  被疑者の弁護人の選任届は、各被疑者について通じて三人をこえてこれを受理してはならない。ただし、三人をこえて弁護人を選任することについて管轄地方裁判所または簡易裁判所の許可がある場合は、この限りでない。
3  弁護人の選任に当つては、警察官から特定の弁護人を示唆し、または推薦してはならない。

(弁解録取上の注意)
第百三十四条  被疑者の弁解を録取するに当つて、その供述が犯罪事実の核心に触れる等弁解の範囲外にわたると認められるときは、弁解録取書に記載することなく、被疑者供述調書を作成しなければならない。

(遅延事由報告書)
第百三十五条  被疑者の身柄とともに事件を送致する場合において、遠隔の地で被疑者を逮捕したため、または逮捕した被疑者が病気、でい酔等により保護を必要とするためその他やむを得ない事情により、刑訴法第二百三条第一項 に規定する時間の制限に従うことができなかつたときは、遅延事由報告書を作成して、これを送致書に添付しなければならない。

(逮捕手続書)
第百三十六条  被疑者を逮捕したときは、逮捕の年月日時、場所、逮捕時の状況、証拠資料の有無、引致の年月日時等逮捕に関する詳細を記載した逮捕手続書を作成しなければならない。
2  前項の場合において、被疑者が現行犯人であるときは、現に罪を行い、もしくは現に罪を行い終つたと認められた状況、または刑訴法第二百十二条第二項 各号の一に当る者が罪を行い終つてから間がないと明らかに認められた状況を逮捕手続書に具体的に記載しなければならない。

(引き当たり捜査の際の注意)
第百三十六条の二  留置被疑者を同行させて警察施設の外において行われる実況見分その他の捜査は、あらかじめ捜査主任官が留置主任官と協議して作成し、警察本部長又は警察署長の承認を受けた計画に基づいて行わなければならない。
2  前項の計画は、同行する被疑者、日時、場所及び行程、当該捜査に従事する者及びその任務分担、被疑者の逃亡その他の事故を防止するために留意すべき事項その他捜査を適正に遂行し、及び事故を防止するため必要な事項について定めるものとする。

(捜査と留置の分離)
第百三十六条の三  捜査員は、自らが犯罪の捜査に従事している場合における当該犯罪について留置されている被留置者に係る留置業務に従事してはならない。
   第六章 捜索・差押え等

(令状の提示)
第百四十一条  令状により捜索、差押え、記録命令付差押え、検証又は身体検査を行うに当たつては、当該処分を受ける者に対して、令状を示さなければならない。
2  やむを得ない理由によつて、当該処分を受ける者に令状を示すことができないときは、立会人に対してこれを示すようにしなければならない。

(逮捕の際の捜索等)
第百四十二条  被疑者を逮捕する場合において必要があるときは、逮捕の現場において刑訴法第二百二十条 の規定による捜索、差押または検証を行い、捜査資料を発見入手するように努めなければならない。

(立会い)
第百四十三条  公務所内で捜索、差押え、記録命令付差押え又は検証を行うに当たつては、その長又はこれに代わるべき者に通知してこれに立ち会わせなければならない。
2  前項の規定による場合を除いて、人の住居又は人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内で捜索、差押え、記録命令付差押え又は検証を行うに当たつては、住居主若しくは看守者又はこれらの者に代わるべき者を立ち会わせなければならない。これらの者を立ち会わせることができないときは、隣人又は地方公共団体の職員を立ち会わせなければならない。ただし、刑訴法第二百二十条 の規定により被疑者を捜索する場合において急速を要するときは、この限りでない。
3  女子の身体について捜索を行う場合には、成年の女子を立ち会わせなければならない。ただし、急速を要する場合は、この限りでない。
4  女子の身体を検査する場合には、医師または成年の女子を立ち会わせなければならない。

(被疑者等の立会い)
第百四十四条  捜索、差押え、記録命令付差押え又は検証を行うに当たつて捜査上特に必要があるときは、被疑者その他の関係者を立ち会わせるようにしなければならない。
2  前項の場合においては、常にこれらの者の言語および挙動に注意し、新たな捜査資料を入手することに努めなければならない。

(第三者の立会)
第百四十五条  捜索を行うに当つては、公務所内または人の居住し、もしくは人の看守する邸宅、建造物もしくは船舶内以外の場所でこれを行う場合にも、なるべく第三者の立会を得て行うようにしなければならない。
2  前項の場合において、第三者の立会が得られないときは、他の警察官の立会を得て捜索を行うものとする。

(身体検査についての注意)
第百五十九条  身体検査を行うに当たつては、刑訴法第二百十八条第六項 の規定により裁判官の付した条件を厳格に遵守するほか、性別、年齢、健康状態、場所的関係その他諸般の状況を考慮してこれを受ける者の名誉を害しないように注意し、かつ、穏当な方法で行わなければならない。

(医師等の助力)
第百六十条  身体検査を行うに当つては、必要があると認められるときは、医師その他専門的知識を有する者の助力を得て行わなければならない。

(負傷者の身体検査)
第百六十一条  負傷者の負傷部位について身体検査を行うときは、その状況を撮影等により明確に記録する等の方法をとり、できる限り短時間のうちに終了するように努めなければならない。

(身体検査拒否の場合の処置)
第百六十二条  刑訴法第二百二十二条第七項 の規定により、正当の理由がなく身体検査を拒んだ者に対する過料処分またはその者にその拒絶により生じた費用の賠償を命ずべき処分を裁判所に請求するには、過料処分等請求書を作成して行わなければならない。

(取調べの心構え)
第百六十六条  取調べに当たつては、予断を排し、被疑者その他関係者の供述、弁解等の内容のみにとらわれることなく、あくまで真実の発見を目標として行わなければならない。

(取調べにおける留意事項)
第百六十七条  取調べを行うに当たつては、被疑者の動静に注意を払い、被疑者の逃亡及び自殺その他の事故を防止するように注意しなければならない。
2  取調べを行うに当たつては、事前に相手方の年令、性別、境遇、性格等を把握するように努めなければならない。
3  取調べに当たつては、冷静を保ち、感情にはしることなく、被疑者の利益となるべき事情をも明らかにするように努めなければならない。
4  取調べに当たつては、言動に注意し、相手方の年令、性別、境遇、性格等に応じ、その者にふさわしい取扱いをする等その心情を理解して行わなければならない。
5  警察官は、常に相手方の特性に応じた取調べ方法の習得に努め、取調べに当たつては、その者の特性に応じた方法を用いるようにしなければならない。

(任意性の確保)
第百六十八条  取調べを行うに当たつては、強制、拷問、脅迫その他供述の任意性について疑念をいだかれるような方法を用いてはならない。
2  取調べを行うに当たつては、自己が期待し、又は希望する供述を相手方に示唆する等の方法により、みだりに供述を誘導し、供述の代償として利益を供与すべきことを約束し、その他供述の真実性を失わせるおそれのある方法を用いてはならない。
3  取調べは、やむを得ない理由がある場合のほか、深夜に又は長時間にわたり行うことを避けなければならない。

(精神又は身体に障害のある者の取調べにおける留意事項)
第百六十八条の二  精神又は身体に障害のある者の取調べを行うに当たつては、その者の特性を十分に理解し、取調べを行う時間や場所等について配慮するとともに、供述の任意性に疑念が生じることのないように、その障害の程度等を踏まえ、適切な方法を用いなければならない。

(自己の意思に反して供述をする必要がない旨の告知)
第百六十九条  被疑者の取調べを行うに当たつては、あらかじめ、自己の意思に反して供述する必要がない旨を告げなければならない。
2  前項の告知は、取調べが相当期間中断した後再びこれを開始する場合又は取調べ警察官が交代した場合には、改めて行わなければならない。

(共犯者の取調べ)
第百七十条  共犯者の取調べは、なるべく各別に行つて、通謀を防ぎ、かつ、みだりに供述の符合を図ることのないように注意しなければならない。
2  取調べを行うに当たり、対質尋問を行う場合には、特に慎重を期し、一方が他方の威圧を受ける等のことがないようその時期及び方法を誤らないように注意しなければならない。

(証拠物の呈示)
第百七十一条  捜査上特に必要がある場合において、証拠物を被疑者に示すときは、その時期及び方法に適切を期するとともに、その際における被疑者の供述を調書に記載しておかなければならない。

(伝聞供述の排除)
第百七十四条  事実を明らかにするため被疑者以外の関係者を取り調べる必要があるときは、なるべく、その事実を直接に経験した者から供述を求めるようにしなければならない。
2  重要な事項に係るもので伝聞にわたる供述があつたときは、その事実を直接に経験した者について、更に取調べを行うように努めなければならない。

(取調べ室の構造及び設備の基準)
第百八十二条の三  取調べ室は、次に掲げる基準に適合するものとしなければならない。
一  扉を片側内開きとするなど被疑者の逃走及び自殺その他の事故の防止に適当な構造及び設備を有すること。
二  外部から取調べ室内が容易に望見されないような構造及び設備を有すること。
三  透視鏡を備え付けるなど取調べ状況の把握のための構造及び設備を有すること。
四  適当な換気、照明及び防音のための設備を設けるなど適切な環境で被疑者が取調べを受けることができる構造及び設備を有すること。
五  取調べ警察官、被疑者その他関係者の数及び必要な設備に応じた適当な広さであること。
  
(微罪処分ができる場合)
第百九十八条  捜査した事件について、犯罪事実が極めて軽微であり、かつ、検察官から送致の手続をとる必要がないとあらかじめ指定されたものについては、送致しないことができる。

(微罪処分の報告)
第百九十九条  前条の規定により送致しない事件については、その処理年月日、被疑者の氏名、年齢、職業及び住居、罪名並びに犯罪事実の要旨を一月ごとに一括して、微罪処分事件報告書(別記様式第十九号)により検察官に報告しなければならない。

(微罪処分の際の処置)
第二百条  第百九十八条(微罪処分ができる場合)の規定により事件を送致しない場合には、次の各号に掲げる処置をとるものとする。
一  被疑者に対し、厳重に訓戒を加えて、将来を戒めること。
二  親権者、雇主その他被疑者を監督する地位にある者又はこれらの者に代わるべき者を呼び出し、将来の監督につき必要な注意を与えて、その請書を徴すること。
三  被疑者に対し、被害者に対する被害の回復、謝罪その他適当な方法を講ずるよう諭すこと。

# 第十二章 交通法令違反事件に関する特則
 
(準拠規定)
第二百十八条  道路交通法 (昭和三十五年法律第百五号)又はこれに基づく命令(以下「交通法令」という。)の違反事件の捜査については、この章に規定するもののほか、一般の例によるものとする。
 
(身柄拘束に関する注意)
第二百十九条  交通法令違反事件の捜査を行うに当たつては、事案の特性にかんがみ、犯罪事実を現認した場合であつても、逃亡その他の特別の事情がある場合のほか、被疑者の逮捕を行わないようにしなければならない。
 
(供述調書の記載事項)
第二百二十条  交通法令違反事件の被疑者の供述調書には、おおむね、次の事項を明らかにしておかなければならない。ただし、被疑者が犯罪事実現認報告書記載の犯罪について自白し、かつ、犯罪事実が証拠により明白で争いのないものについては、第一号に掲げる事項及びその自白を明らかにしておけば足りるものとする。
一  本籍、住居、職業、氏名、生年月日、年齢及び出生地(被疑者が法人であるときは名称又は商号、主たる事務所又は本店の所在地並びに代表者の氏名及び住居、被疑者が法人でない団体であるときは名称、主たる事務所の所在地並びに代表者、管理人又は主幹者の氏名及び住居)
二  交通事犯の前歴
三  学歴、経歴、資産、家族及び生活状態
四  犯罪の年月日時、場所、方法及び動機並びに犯行の状況
 
(少年の交通法令違反事件の送致)
第二百二十一条  少年の交通法令違反事件の送致は、交通法令違反少年事件送致書(家庭裁判所へ送致するものについては、別記様式第二十三号。ただし、管轄地方検察庁の検事正が少年の交通法令違反事件の捜査書類の様式について特例を定めた場合において、当該都道府県警察の警察本部長が管轄家庭裁判所と協議してその特例に準じて別段の様式を定めたときは、その様式)によることができる。この場合においては、身上調査表を添付することを要しない。ただし、犯罪事実、犯罪の原因及び動機、当該少年の性格、行状及び環境、家庭の状況等から、特に刑罰又は保護処分を必要とすると認められるときは、この限りでない。
 
(大公使等に関する特則)
第二百二十六条  国際犯罪の捜査を行うに当たつては、次に掲げる者の身体、名誉、文書その他の不可侵等の特権を害することのないように注意しなければならない。
一  大公使若しくは大公使館員又はこれらの者の家族
二  その他外交特権を有する者
2  前項に掲げる者の使用人を逮捕し、又は取調べを行う必要があると認められるときは、館外における現行犯人逮捕その他緊急やむを得ない場合を除き、あらかじめ警察本部長の指揮を受けなければならない。
3  被疑者が外交特権を有する者であるかどうかが疑わしい場合には、速やかに、警察本部長の指揮を受けなければならない。

(大公使館等への立入り)
第二百二十七条  大公使館及び大公使又は大公使館員の居宅、別荘若しくはこの宿泊する場所については、当該大公使又は大公使館員の請求がある場合のほか、これに立ち入つてはならない。ただし、重大な犯罪を犯した者を追跡中、その者がこれらの場所に入つた場合で猶予することができないときは、大公使、大公使館員又はこれらに代わるべき権限を有する者の同意を得て捜索を行うことができる。

(外国軍艦への立入り)
第二百二十八条  外国軍艦については、当該軍艦の艦長の請求がある場合のほか、これに立ち入つてはならない。
2  重大な犯罪を犯した者が逃走して、我が国の領海にある外国軍艦内に入つた場合には、速やかに警察本部長の指揮を受けなければならない。ただし、急速を要するときは、当該軍艦の艦長に対し、その者の任意の引渡しを求めることができる。

(外国軍艦の乗組員に対する特則)
第二百二十九条  外国軍艦に属する軍人又は軍属がその軍艦を離れ、我が国の領域内において犯罪を犯した場合には、速やかに警察本部長の指揮を受けなければならない。ただし、現行犯その他急速を要するときは、逮捕その他捜査上必要な処置をとつた後、速やかに警察本部長の指揮を受けるものとする。

(領事上の特権等に係る特則)
第二百三十条  次に掲げる者に係る事件の捜査を行うに当たつては、その者の身体の不可侵の特権を害することのないように注意しなければならない。
一  本務領事官(重大な犯罪の被疑者であり、かつ、その者について裁判官があらかじめ令状を発している場合における本務領事官及び第三項に規定する領事官を除く。)
二  領事伝書使(当該任務を遂行している場合における領事伝書使に限る。)
2  次に掲げる者に係る事件でその者が領事任務の遂行に当たつて行つた行為に係るものの捜査を行うに当たつては、その者が我が国の刑事裁判権からの免除を享受することを妨げないように注意しなければならない。
一  領事官(次項に規定する領事官を除く。)
二  領事機関(総領事館、領事館、副領事館又は代理領事事務所をいう。以下同じ。)の事務技術職員(我が国の国民である者又は我が国に通常居住している者を除く。)
3  前二項の規定は、領事官であつて我が国の国民であるもの又は我が国に通常居住しているものに係る事件でその者が任務の遂行に当たつて行つた公の行為に係るものの捜査について準用する。
4  第二百二十六条(大公使等に関する特則)第三項の規定は、前三項の場合について準用する。この場合において、同項中「外交特権」とあるのは、「領事上の特権又は免除」と読み替えるものとする。
5  領事機関の構成員又は領事伝書使を逮捕し、又は取り調べる必要があると認められるときは、あらかじめ、警察本部長の指揮を受けなければならない。ただし、現行犯人逮捕その他緊急やむを得ない場合において、第一項及び第二項(第三項において準用する場合を含む。)に規定する特権及び免除を害しないと認められるときは、この限りでない。
6  本務領事官を長とする領事機関の公館については、当該領事機関の長又はこれに代わるべき権限を有する者の請求又は同意がある場合を除き、これに立ち入らないものとする。
7  領事機関の公館又は領事官の居宅において捜査を行う必要があると認められるときは、急速を要する場合を除き、あらかじめ、警察本部長の指揮を受けなければならない。
8  領事機関の公文書(名誉領事官を長とする領事機関の公文書で他の文書と区別して保管されているもの以外のものを除く。)に係る捜査については、文書の不可侵の特権を害することのないように注意しなければならない。

(外国船舶内の犯罪)
第二百三十一条  我が国の領海にある外国船舶内における犯罪であつて、次の各号のいずれかに該当する場合には、捜査を行うものとする。
一  我が国の陸上又は港内の安全を害するとき。
二  乗組員以外の者又は我が国の国民に関係があるとき。
三  重大な犯罪が行われたとき。

(外国人の取調べ及び身柄の拘束についての注意)
第二百三十二条  外国人の取調べを行い、又は外国人の身柄を拘束するに当たつては、言語、風俗、習慣等の相違を考慮し、当該外国人に係る刑事手続に関し我が国の刑事手続に関する基本的事項についての当該外国人の理解に資するよう適切を期すること等により無用の誤解を生じないように注意しなければならない。
2  外国人の身柄を拘束したときは、遅滞なく、その者に対し、次の事項を告知するものとする。
一  当該領事機関に対しその者の身柄が拘束されている旨を通報することを要請することができること。
二  当該領事機関に対し我が国の法令に反しない限度において信書を発することができること。
3  前項第一号の規定による要請があつたとき又は条約その他の国際約束により要請の有無にかかわらず通報を行うこととされているときは、遅滞なく、当該領事機関に対し同項に規定する者の身柄が拘束されている旨を通報するものとする。
4  前項の通報を行つたときは、その日時及び当該通報の相手方を書面に記録しておかなければならない。

【途中、以下略】

 

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