医療情報学

 

最終更新日 2017/09/13

 

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医療情報学の目次

医療現場における情報 医療現場における具体的な情報の種類 情報の伝達法 診療情報の取り扱い
    当院における情報管理 あとがき

 本文では診療情報と記載しているが実際に説明している事柄は、診療情報を含めた「院内における情報全て」に対してであることをおことわりしておきます。

医療現場における情報

 
 医療現場における情報の利用には以下の3つの流れがある。

(1) 院外から院内への情報の流れ。
(2) 院内から院外への情報の流れ。
(3) 院内から院内への(院内のクローズでの)情報の流れ。

これらは単独で成立することもあれば、2つ以上のケースが混じり合って成立するケースもある。

(1)の代表的なものとしては、

 新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、通知・通達、ダイレクトメール、歯科医師会からの連絡 他

(2)の代表的なものとしては、

 医療情報の提供、レセプト、処方箋、技工指示書、注文書、歯科医師会への連絡、確定申告書、諸届出 他

(3)の代表的なものとしては、

 カルテ他診療に必要な情報、医療管理・財務・会計情報 他

医療現場における具体的な情報の種類

参考 (当院における情報管理法として)

情報の伝達法

1 郵便
 郵便と言うシステムを利用した情報の伝達法であり、日本においては明治時代初頭に始まって約100年以上の歴史を持つ。その伝達媒体は用紙等に記載されたアナログ情報とFPD等の磁気媒体等のデジタル情報がある。情報の伝達速度は遅い。おまけにポストまで出しに行かなければならない。やや時代遅れの伝達方と言わざるを得ない。

2 宅配便
 宅配便と言うシステムを利用した情報の伝達法であり、その内容は郵便と同等である。ただし、郵便法上親書取り扱いは郵便業務の専任であり、昨今親書の定義が話題を呼んでいる。江戸時代からあった「飛脚」はさしずめ郵便兼宅配便と言ったところであろうか。

3 電話
 情報の伝達の即時性に優れている。ただし情報の伝達量は少なく大量の情報伝達には向かず、また原則として伝達情報は音声のみである。又相手の都合に合わせたアクセスが必要である。現代においては電話を持っていない人はいないと言っていいくらいのポピュラーな方法である。

4 Fax
 電話の欠点を補い、大量の情報の伝達が可能であり、又相手の都合を考慮する必要がない。しかし写真などの画像の伝達にはむかず、又伝達された情報はアナログデータのため複写や加工はしにくい。その伝達法には、Fax専用機、PCからの送信がある。

5 インターネット
 最近脚光を浴びている情報伝達法である。インターネットの情報伝達にはWebを利用するものとMailを利用するものとがある。伝達内容は文字、画像、音声のマルチメディアでありデジタルデータであることが特徴。

6 E-mail
 区分としてはInternetに含まれる、デジタルデータの伝達手段である。写真などの画像データも伝達可能であり、又文字データもデジタルのため複写や加工がしやすく、データの劣化も無い。
大量のデータを短時間で遠方まで伝達することが可能であり、今後のデータ伝達手段の主流として期待される。

院内情報の取り扱い

院内情報の取扱いのキーワードは、「院内情報のペーパーレス化」である。

デジタル化のメリット

(1) 情報を蓄積した場合、後にそれらのデータを速やかに捜し出すことが出来なければ意味はない。情報をデジタル化する事によるメリットの1つは検索機能である。

 その方法としては、データファイル名にインデックスをつけて検索する方法があるが、これではキーワード検索は不可能であり、必ずしも必要な情報情報を捜し出せるとは限らない。このような場合、そのデータがテキストデータで保存していれば全文検索と言う方法で必要なデータにたどり着くことができる。
 しかし、元々デジタルデータで伝達している場合にはその保存も検索も速やかに行うことが可能で有る。
 しかし、アナログデータとして伝達している場合には、スキャナーでスキャンして画像データとして保存することがその第1歩である。そして必要に応じてそれをOCRでテキストデータに変換して利用すれば良い。そうすれば全文検索が可能に成る。
しかし、目視で読み取れる解像度は150dpiもあれば充分だが、OCRを前提にすれば300dpi程度の解像度が必要になり、結果としてファイルの多きさが大きくなる。

(2) 情報のデジタル化によってもたらされるメリットの第2はデータのバックアップが簡単であると言うことである。

アナログデータの代表的なものには、「紙に書かれた文字」と「印画紙に焼き付けられた画像」がある。しかし、数十年前の保存している文書や写真を見ればお分かりのように、紙は日焼けして文字はかすみ、写真も色あせている場合が多い。この様にアナログデータは日々劣化しまたバックアップを取ろうとすると膨大な手間がかかる。
しかし、情報をデジタル化する事により、データの劣化を防止しまたバックアップが楽に行える。

 ではどのような方法がバックアップには向いているでしょうか。
画像を中心としたデータのファイリングを前提にするとデータ量は年間500MBから1GBは覚悟しなければならない。これは1枚150KBのスキャンを1日10枚行った時の年間データ量の計算値である。
 これを踏まえて考えると、バックアップにおいて重要なことは、データの転送速度、データ(媒体)の信頼性、価格、容量、といったところであろうか?
 選択肢としては、ハードデスクの増設、MO、CD・RW、LAN ・・等。
このうち、SCSI接続のMOは今までバックアップ媒体として一般的であったが、転送速度はそんなに速くないため、定期バックアップ向きである。
 LANによるバックアップは常時複数のパソコンを起動させておかなければならない。
 そこで考えられるのが、ハードデスクを増設して、HDからHDへのバックアップをとる方法であり、データのミラーリングを行うソフトも存在する。
そして、この場合増設するHDは外付け望ましい。なぜなら、パソコン本体が壊れても、バックアップ用ハードデスクを他のパソコンにつないでデータを読むことが可能だからである。

 当院においても、日々のバックアップはHDからHDの方式で行い、定期バックアップはMOに行ってバックアップの信頼性を高めている。

(3) デジタルデータは持ち運びが便利である

 デジタルデータの持ち運びには様々な方法がある。
 FPD、スマートメディア、コンパクトフラッシュ、MO、CD等。以前はFPDが主流であったがデータの容量が増えるに伴い、容量不足と転送速度の遅さがネックとなってきた。
 そこで脚光を浴びるのがスマートメディアやコンパクトフラッシュと言ったカード型のリムーバブルである。
現在64MBのメディアが手に入り、持ち運ぶデータ量としては充分である。現在当院でもこれを利用している。
 スマートメディアの利点は、FPDのアダプが存在することであるが、容量が大きくなると、FPDアダプタでは転送速度が遅く仕事にならない。そこで必要なのがカードリーダーであり、SCSIタイプと USBタイプがある。
現在当院では、SCSIとUSB両方のカードリーダーを使用しているが、USBはSCSIに比べて数倍遅い。64MBのコンパクトフラッシュの使用時にはかなりのストレスとなる。SCSIが望ましい。

デジタル化の実際の一例

 情報のスクラップ(使用ソフト FUJI XXEROX DocuWorks Ver4)
 以前情報のスクラップといえば、新聞などを切り抜いてスクラップブックに貼り付ける方法が一般的であった。しかしその方法は、手間が掛かり、費用が掛かり、保管場所が掛かり、又情報が劣化しやすく情報の再利用や検索には不便なものであった。
 その後、情報を写真に撮ってマイクロフィルムで保存する方法が行われるようになり保管場所や情報の劣化については随分改善されてきた。しかしそのシステムは個人で所有するには高価であり、パーソナルなものではなかった。しかし、最近のパソコンや周辺機器の普及による低価格化により、スキャナーでスキャンしたデジタルデータを電磁保存することが楽に出来るような時代になってきた。
 当院では、FUJI XXEROX DocuWorks Ver4とスキャナーを利用して、日々データをスクラップしており必要があればプリントアウトできるようにしている。

あとがき

 院内で情報を処理するときのポイントは 「スピーディー」「経済性」「簡単な操作」「美しい仕上がり」である。それが満たされない場合には業務を外注に出した方が良いのは言うまでもない。
 しかし、現在のPCのハード及びソフト環境においては、システムを旨く組み合わせることにより、それぞれの医療機関にあった院内情報システムの構築は安価で簡単に行えることは間違いない。

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