医療事故(年中工事中)

 

最終更新日 2017/09/13

DscyOffice Top

当サイトの御利用上の注意

医療過誤

 

医療事故学 医療事故例 医療事故判例集 歯科医療事故例

医療事故学

歯科医院におけるリスクマネージメントとは 歯科医院におけるリスクの分類 歯科医院におけるリスクの詳細 医療事故の予防
医療事故に遭遇したら 医療事故に関する法律 歯科医療における事故の予防 医療事故の資料集

歯科医院におけるリスクマネージメント

A 歯科医院におけるリスクマネージメントとは

 歯科医院の業務の主体となるのは、言うまでもなく「診療業務」である。そして、診療業務は「大きなリスク」を抱える業務である。我々医療関係者はそのリスクを充分に認知した上で日頃の業務に当たらなければならない。

 これらの医療上のリスクから生じた問題、すなわち「医療に関する全ての事故」を総称して「医療事故」と言う。しかし、この医療事故の全てが医療側の過失によって生じるわけでは無く、医療側の過失によって生じたものを区分して「医療過誤」と言う。
 そして、最近患者の権利意識の向上等により、これらの医療事故が表面化して一部は訴訟に発展する。この様に、医療事故の処理に不手際が生じると「医事紛争」が発生する。

 昔と違い、現在は医師は診療にだけ気を配れば良いと言った時代ではない。特に、開業医においては最終的に誰もかばってくれる人はいない孤独の立場として、この様な医療事故を起こさない歯科医院の運営システムを作る必要がある。そして、これらのリスクに対処することを「リスクマネージメント」と言う。
 そして医療事故における被害者は決して患者だけにとどまらず、我々術者も被害者となる可能性があることも忘れてはならない事実である。

 ある機関が、医療事故約300件を鑑定した結果、「過誤85% 非過誤15%」であった。参考までに、その内歯科分野の例は1例(非過誤)であった。

 本書においては、医療事故を始めとした歯科医院における全てのリスクに対して、その本質を見極め予防と処理に対して述べる。

まとめ 歯科医院におけるリスクマネージメントは「医療事故」だけにとどまらない。

 

B 歯科医院におけるリスクの分類

 歯科医院におけるリスクの分類の1つに「医療機関が与えるリスク」、「医療機関が受けるリスク」との分類がある。

 医療機関が与えるリスクのほとんどは診療に伴うリスクであるが、その他にも「医院の設備などの管理上のリスク」等も存在する。
 それでは、医療機関の受けるリスクとはなんであろうか?今までは医療事故を始めとして医療機関が与えるリスクに関しては議論され、また書籍としても発行されてきた。そして、医療機関の受けるリスクに対しては述べられることはあまりなかった。しかし、医療機関の受けるリスクに対しても注意を払わなければ、歯科医院のリスクマネージメントとは言えない。

「医療機関の与えるリスク」

 ここで大事なことは、医療機関側に過失があろうが無かろうが、「医療そのもの」がリスクの固まりであると言うことである。いくら昔から標準的な医療として認知されている診療行為でも、その診療を受ける人の体質などによっては大きなリスクになると言うことである。
 同列に論じることは不適切かも知れないが、体に良い健康食品とされている「蕎麦」でも、まれにはアレルギーによって重篤な状態になる人がいるのと同じである。

 それを前提にして、「治療リスクの大きい人」を見極めることも歯科医師として大事な職務である。
 例えば、インプラントをしたら顎関節症になった事例において、いかにもインプラントをしたから顎関節症になったと思う患者が多い。しかし、インプラントに限らず医科診療において顎関節症が誘発される可能性はあり得るので、それに関するインフォームドコンセントが大事であるばかりではなく、そのような資質のある患者に対する治療方針を立てる際にも一考を要する。場合によっては治療をしないのが一番の治療法であると言う場合も有るのも事実である。上記のインプラントの事例においても、直接的な手技上の過失は勿論として、その患者に対して適切な治療法であるかと言う診断の場においての責任が問われる場合もあり得る。

 そこで、医療機関が患者に与えるリスクを最小限にとどめる方法であるが、これには患者側の協力無しには成し遂げられない。例えば、「用法上の注意を守らず薬剤を過剰に摂取して生じた薬剤事故」、「患者が過去に生じた薬剤の副作用等を告知しなかったことによる再度の薬剤の副作用」や「仕事の都合で通院できないとの理由で間欠的な治療を繰り返す」ようでは、良質な医療水準の確保はなかなか難しい。
 つまり、適切なインフォームドコンセントによって患者に治療の必要性を認識させることが、大事である。そしてその医療情報は「医師から患者」と言った一方通行ではなく、「患者から医師」へと言った情報も含めた双方向性である必要がある。

 それでは、管理上のリスクには何があるであろうか?それは一口では述べられないが、「医院の玄関前の階段が凍っていて患者が転んで怪我をした」と言うことも含めて様々なシチュエーションが考えられる。

「医療機関の受けるリスク」

 医療機関の与えるリスクのほとんどが診療上のリスクであり、またそれに付随する管理上のリスクについても単純明快であることが多い。それに対して、医療機関の受けるリスクは複雑怪奇で、単に「医療機関が受けるリスク」だけにとどまらず、「双方が受けるリスク」も含まれる場合もある。

1 診療契約における、患者側の契約不履行のリスク(診療費の支払いにおけるリスクも含む)。

 これは読んで字のごとくであるが、診療契約は一方的に医療側が患者に対して果たす「診療の義務」だけにとどまらず、それに相対して「報酬を支払う」と言う患者側の義務を伴うのは言うまでもない。しかし、これは診療契約だけにとどまらず、一般の契約に置いてもその義務が果たされない場合もままある。それらの事由によって生じたものは一般的には「未収金又は不良債権」と言った言葉で表されることが多い。
これらに対する対処も、健全な医療機関の運営の上では重要なことである。

2 診療に際して、患者が歯科医師の療養上の指導に従わなかったことによって生ずるリスク。

 これは一部「医療機関の与えるリスク」の項でも述べた。
例えば「患者が過去に生じた薬剤の副作用等を告知しなかったことによる再度の薬剤の副作用」等が典型的な事例であろうが、その結果が軽度の薬疹や胃腸障害であれば問題になることは少ないが、重篤な症状がでればその責任が医療側だけに求めるのかが問題となる。そして、どちらに責任があるかにかかわらず、「実際に不利益をこうむった」患者と「その責任を問われる」歯科医師の双方におけるリスクと言う不幸な結果になる。

 その他にも

● 院内における携帯電話持ち込み禁止と言う指導に従わなかったことにより、隣で診療している「ペースメーカー使用者」に対する不利益。一般的に携帯電話の1m以内ではかなりの電磁波が生じ、電子機器に障害を及ぼすことを想定しなければならない。実際にノートパソコンから携帯電話を使用してE-mailを発信しているときに、1m先にあるテレビの画像が大きく乱れてノイズが入ったのを経験している。しかし、毎回起こるわけでもないと言うのが、いまいちわからない。

● 飲酒をして歯科医院に受診する患者がいる。当院では経験が無いが、私がかつて勤務医であった頃に「飲酒をして受診する」患者を経験したことがある。この様な患者に対してどう対処するか様々な意見があると思われるが、その対処を誤れば「医療事故」の一因となることは言うまでもない。

● 歯科疾患と喫煙との関係については因果関係は確立していない。しかし、歯周疾患を始め、その治療の過程で「禁煙」と言う指導を行わなければ治療効果が上がらないケースもある。そのようなケースに遭遇した場合、どれだけ強い指導力で患者を「禁煙」に導けるのか、そして結果的に「禁煙」が達成されず、そのことにより治療効果があがらない場合の責任はどこに求められるのか、それが問題である。

● 薬剤の服用時に置いて、「飲み忘れ」等によって継続的に摂取されないケースがある。その他にも10日に3日分の抗生剤の投与をして3日後の来院を指示したところ、仕事が忙しくて20日でないと来院でき無いと言われ、20日にもう一度3日分の投薬を繰り返す場合がある。しかし、抗生剤等持続して服用しないと治療効果が表れず、弊害を生じる場合も考えられる。それではこの様な場合どの様な処置が適切なのであろうか?例えば、10日分の投薬であろうか?そうでないことは皆様も御承知のとおりです。この様に、通院に関しての主導権は完全に患者に握られており、患者の協力無しには良質な医療の維持が難しい場合も有るのである。
 治療の途中で未来院となり、何度も同じ歯の治療に来る患者などはその最たるものである。場合によっては、治療効果の出ない治療を漫然と持続することを希望する患者に対しては、たとえ患者の希望からはずれていても、適切な治療法へと導く努力が必要なのである。

3 患者の資質(性格的要素等)によって生ずるリスク。

 先日あるMLで「インプラントをしたら顎関節症になって・・・・」と言う投稿を目にした。インプラントに限らず、日常に置いては歯科診療が原因と思われる顎関節症にお目にかかることがある。勿論医療上の技術などに起因するケースもあるのだが、一部にはその患者の性格に起因するケースが存在することも確かである。従って、医療事故の原因を作らないためには、その疾病の局所だけでなく患者そのもの(つまり人)を見据えた診断と治療方針が必要になってくる。何をやってもうまくいく患者もいれば、何をやってもうまくいかない患者もいる。これが医者と患者の相性であろうか。一人の術者が全ての患者を満足させることは不可能なのだから・・・。

 例えば右下の6番の欠損に際して、天然歯を削合してBrにするかまたは削らないでPDにするか・・・、一度削った歯は元に戻らないので誤りは許されない。場合によっては「治療しないのが最良の治療法である」と言う場合もあるのである。

 この様に歯科医療の現場に置いては、患者の性格がその治療の成否を決する要素として大きい割合を持つことがある。医科についても言えることなのかも知れないが、その比重は大きく異なる・・・。
 例えば、医科においては「遠隔診断によって疾病を特定し診断の上投薬する」等の処置法が存在する。しかしこの場合見えてるのは「疾病」だけであり、「病人」は見えてこない。歯科においては事実上この様な医療は不可能であり、もし無理に行えば「医療事故」の大きな原因となる。

4 保険制度などの仕組みによってもたらされるリスク。

 地震がおきて電柱が倒れて電線が切れた時、とりあえず電線を繋いで電気を通し(実際には他の送電路から送電)、その後に電柱を立て直し、電線を引き直して修理完了と言うのが普通だ。
 しかし現在の保険による歯科診療においては、倒れた電柱を立て直さずに電線を引き直しただけで治療終了と言っているのが現状である。

 実際には、下顎の6番が長い間欠損でいると7番が近心に傾斜してくる。この状態で、(7)6(5)のBrを作製するのは、曲がった土台の上に家を建てるようなものである。実際にはMTMにより7番の植立を直しそれからBrを作製するのが望ましい。しかしこの様なMTM(矯正)は保険給付外なのである。
 つまり我々臨床現場においては、欠損の有無にかかわらず、立て直して咬合の再構成が必要な場合でもそれに目をつむって、保険の範囲内での治療をせざるを得ない。そして、それによって生じた不具合は、患者にとって「顎関節症や噛み合わせの不具合」、そして歯科医にとっては「それら不具合の責任」と言う結果をもたらす。つまり、制度上の問題によって、場合によっては「医療事故」が発生するのである。

5 社会的常識(風潮)等によって生じるリスク。

 最近の携帯電話の普及は目覚ましく、受診する患者さんの半数が携帯電話を持って来ると言っても過言ではない。実際に当院でも「携帯電話持ち込み禁止」の掲示をしても、診療中にユニットの上で携帯電話のの呼び出し音がなることがまれにおきる。そして、それによってユニットが誤作動したと言う話しも聞いたことがある。
 先日ノートPCから携帯電話でメールの送信をしていたときでした。突然1m程の所にあるテレビの画面が乱れ、かなり強いノイズが入りました。これだけテレビに強い影響を持つ電磁波がでているとすると、もし診療中に同様な状態になったら、周囲の医療機器にどの様な影響が生じるが予想も付きません。そして、実際には「ペースメーカー」を使用中の患者が来院することもあるのです。

 例えば、レストランで隣の人の携帯電話のせいで「ペースメーカー」を使用している人に障害が生じても、新聞ネタにはなっても「レストランの管理者」も「電話をかけた人」も責任を問われることは無いだろう。しかし、同じことが医療機関において生じたら、管理責任が問われるであろう。「レストランの管理者」と「医療機関の管理者」では、善管義務が異なるのは当たり前である。

まとめ 歯科医院におけるリスクには「医療機関の与えるリスク」と「医療機関の受けるリスク」がある。

C 歯科医院におけるリスクの詳細

 歯科医院におけるリスクのほとんどは実際の診療において遭遇する場合が多い。それでは、実際に遭遇するリスク患者とはどの様な例であろうか?

(1) 肝炎等の感染症患者

 日本におけるB型肝炎ウィルス(HBV)の陽性者は約200万人、C型肝炎ウィルス(HCV)キャリアは約160万人と言われている。人口比にすると約3%、100人の患者が来院したうちの実に3名は肝炎のキャリアと言う事になる。しかし、私の経験によると問診時のチェックでひっかかる確率ははるかに低い。確たる統計は取っていないが、概算からすると実際のキャリアの数の10分の1程度しかひっかかっていないと思われる。

 ではなぜ実際のキャリア率より低い数字しか確認されないのだろうか?

● 「肝炎の陽性者」と問診票に書くと、病院への診療依頼となり面倒な思いをしなければならなくなるので、意図的に隠す患者が居る。

● 患者自身が、「自分が肝炎のキャリア」であることを知らないで居ることがある。
 これは実際に当院で経験したことであるが、
「ある初老の男性患者が受診した際に、肝臓が悪いという申し出があったので(本人は病名は知らないらしい)、主治医から診療情報の提供を受けたところ、まさにC型肝炎のキャリアだった。」
ことがある。本人が自分の病名を知らないようでは正確に申告できないことは言うまでもない。

 これらのことから、我々が診療を行う際には全ての患者がキャリア患者であると言う前提で診療を行わなければならない。 実際の対処法

 

(2) 「循環器障害」等に代表される有病者

診療時のモニタリングによって対応する。バイタルサインは重要な情報である。


(3) 精神神経的(性格的)

その人にあった治療法を選択する。場合によっては「治療をしないことが最良の治療法である」場合もある。

(4) 社会的リスク患者(通院・支払)

 


D 医療事故の予防

 医療や教育を資本主義や効率化と言った面からだけとらえるのは間違いである。

まとめ 医療事故の予防のキーワードは「ゆとり」、安全は99%の無駄によって支えられる。

E 医療事故に遭遇したら

 

まとめ 

 

 

F 医療事故に関する法律

 医療事故のある一定割合が医療機関の過失が認められる医療過誤である。しかし、医療機関側の過失にかかわらず色々な理由によりトラブルが生じ一部は医事紛争となる。

 医事紛争に関連する法律は下記のものがある。

1 民事上 債務不履行 民法第415条 不法行為 民法第709条

2 刑事及び行政上の責任 業務上過失傷害・重過失傷害 刑法第211条

善良なる管理者の注意 民法第400条

損害賠償の範囲 民法第416条

受任者の注意義務 民法第644条

受任者の報告義務 民法第645条

精神的損害に対する慰謝料 民法第710条

生命侵害に対する慰謝料 民法第711条

使用者の責任 民法第715条

損害賠償請求権の時効 民法第724条

文書提出義務 民事訴訟法第312条

まとめ 

G 歯科医療における事故の予防

歯科医療における事故の予防(工事中)

まとめ 

 

統計表示