労災保険

 

最終更新日 2016/03/04 DscyOffice Top
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■ 労災保険の審査      

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★ 121110: 労災レセプト電算処理システム
平成25年9月を目処に労災レセプトの電算化処理システムの対応を進めています。ただ、電算化の実施後も紙媒体での請求は可能です。歯科では労災レセはあっても少ないでしょうから主に紙レセでの対応が中心となるでしょうが。
電算レセの仕様などはこちら

 ■ 労災保険の審査

★ 第1回労災診療費のレセプト審査事務に関する検討会議事録
労働基準局労災補償部補償課
2012年3月27日
 
【抜粋】
 
(2)労災診療費のレセプト審査事務について
 
■  労災レセプトの審査事務については、一般の社会保険あるいは国民健康保険の審査とは別に外部の機関に委託する形で行ってきましたが、事業仕分けについては、厚生労働省の場合は、行政刷新会議の事業仕分けのほかにも、省内で独自に事業仕分けの組織がありまして、そういった見直しなどが行われる中で、この審査事務については、保険者たる国が決定すべき行政処分と密接不可分であることなどから、よりコスト削減を図るという目的も達成しつつ、国が直接実施することとして、昨年7月から外部委託から順次、国の直括の業務として移行を開始して、昨年12月に国への集約化と言いますか、元に戻すということを完了させました。
 
■ こうした流れがあったわけですが、それとは別に衆議院の決算行政監視委員会において、いわゆる国会事業仕分けと呼ばれておりますが、こちらのほうでもさまざまな見直しと言いますか、これが行われる中で、昨年12月8日付けで労災診療費のレセプト審査事務の支払基金等への委託についても検討を進めるべきであるという決議がなされて、その講じた措置を6カ月以内に当該委員会に報告するように求められています。そのため、労災診療費のレセプト審査事務のあり方について、今般、検討会を設置し開催することとしました。
 
■ 一応、予定としては本年5月中旬には検討結果を取りまとめていただきたいと考えています。大変お忙しいところ恐縮ですが、短い期間で集中的にご議論いただきますようお願い申し上げます。
 
■ 本日は第1回目の会議ですので、この検討会の開催目的等を確認した上で、議題に入りたいと思います。事務局から説明をお願いいたします。
  
労災レセプトの審査点検業務についてということですが、部長の挨拶の中にもありましたが、従前その一部を委託という形で行っていました。それを行政刷新会議、省内事業仕分けでの指摘を踏まえる中で、昨年12月1日にコスト削減を図った上で、国に集約化をしました。
 その一方で、同年同月の8日に衆議院の決算行政監視委員会で、労災診療費のレセプト審査事務の支払基金等への委託についても、検討を進めるべきであるという決議がなされました。
 この決議を受けて、労災診療費のレセプト審査事務の特殊性を踏まえつつ、保険者の違い、審査事由の違い、費用対効果等の視点から、労災診療費のレセプト審査事務のあり方について検討いただくために本検討会を設置、開催させていただいています。
 検討内容は、労災診療費のレセプト審査の特殊性を踏まえつつ、保険者の違い、審査事由の違い、費用対効果等の視点から労災診療費のレセプト審査事務のあり方を検討いただきたいというものです。
 
■ 「検討すべきポイント(案)」ですが、決算行政監視委員会の決議を踏まえてのことです。労災診療費のレセプト審査事務の支払基金等への委託について、具体的には、労災診療費のレセプト審査事務のあり方、特に労災診療費のレセプト審査の特殊性を踏まえつつ、保険者の違い、審査事由の違い、費用対効果等の視点から、支払基金等への委託の可否について検討いただきたいというものです。
  
■ これは、労災診療費のレセプトと関係がありますので、一応事務局から、労災診療費のレセプト審査事務はどういうふうになされているのか説明を伺ってから、皆様のご意見、ご質問をお受けしたいと思います。事務局で続いて、その点ご説明ください。
 
■ 平成22年度は年間約57万5,000人の方が労働災害に遭い、療養を受けております。この方々は、労災保険指定医療機関と申しまして、労働局と契約をする医療機関に受診されます。この医療機関については、被災労働者が受診した場合に自己負担なしで診療を受けられるという仕組みになっており、全国で約3万9,000の医療機関が対象となっております。同様に院内処方をした場合については、薬局は約4万7,000の契約機関がありまして、こちらについても自己負担なしで、療養及び調剤を受けられるという仕組みとなっています。
 実際にここで発生した費用については、真ん中の線で、各医療機関が労働局に請求をします。実際に被災した労働者の方は、こちらの医療機関を経由して、各労働基準監督署に労災である旨の請求書を提出します。
 労働基準監督署では、その請求書に基づいて必要な調査を行います。一方で労働局においては、各医療機関から請求のあったレセプトの内容を審査します。後ほど詳細にご説明いたしますが、このレセプトの審査の中で、労災保険の認定をするのに必要な情報が入っています。そのために、労働局は労働基準監督署に対して調査の指示、必要な情報の提供を行い、労働基準監督署はその請求事案が真に労災の対象として給付をするのかどうかという判断をいたします。その結果が、改めて労働局に戻りまして、実際に業務上として判断されたものについて、労災診療費の支払いを行うこととなり、具体的には厚生労働省、本省で一括して各医療機関に支払いを行っています。
 もう一度整理をしますと、まずはこれにかかる費用です。いちばん下の箱に入っていますが、労災保険料は全額事業主が負担しております。被災労働者は労災保険指定医療機関で受診しますと、自己負担なしで診療、調剤を受けられます。実際に、労働局及び労働基準監督署で調査、点検を行うというのが流れです。
 
■ 労災保険指定医療機関については、レセプトと申しますが、被災労働者ごとに請求内容を1カ月単位でまとめて労働局に請求します。具体的な例をお持ちしました。この方は左上腕の骨折で手術を伴う療養を受けた方です。上段に、バックに色が少し着いているところの下に線が引いてあって、「259万円」という数字がありますが、259万円の請求があったものです。
 実際の内容ですが、診療行為が行われたものについては、この頁の左の欄から右の真ん中の辺りのところに、その診療行為別に点数が記載されており、具体的な内容は、右の下のほうからずっと次頁にわたって、細かに書かれています。
 労働局においては、こうした医科点数表、薬剤ですと薬効薬価リストといったものから、個々の請求がひとつひとつ正しいのかという審査を行っています。各行の端のほうに、鉛筆でチェックをしたような印が付いています。
 裏面をご覧ください。左側の中程に髄内釘(横止め型)というのと、髄内釘(横止めスクリュー・標準型)というのを四角で囲んでおります。この請求ですが、実は骨折をして、髄内釘という金属質のものを骨の間に入れまして、それを横からピンで止めて骨折部分を固定するという手術を行ったものです。この髄内釘29万8,000円というものを5個使用し、下のスクリューのほうは2万8,100円なのですが、これは1本使用したという請求になっていました。
 骨の中に髄内釘を入れる手術ですから5個はおかしいと考え、医療機関に確認を行ったところ医療機関で算定を誤り、5個は本来1個で、1本は本来5本と、上と下を間違えて請求してしまったということが分かりました。これは、請求のあった医療機関に内容確認をし、手術記録を確認してもらったことにより、その誤りを正したというものです。
 表面に戻りまして、先ほど259万円の請求があったという説明をしましたが、審査の結果、その他の査定事由と併せまして、結果として134万円に査定されています。
 
■ 労災のレセプト審査事務に関するこれまでの見直しの状況です。冒頭の部長の説明のおさらいになりますが、まずは平成22年度においては、外部に国の指示の下、レセプトの事前点検をする業務を委託していました。レセプトの全数を事前点検して、保険者である労働局に対して、疑問点を指摘する業務を実施しておりました。こうした受託業者からの報告を踏まえまして、国が最終的な審査をした結果、委託費を上回る査定の実績がありました。実際に点検をしたレセプトは労災請求の全数である351万件で、最終的な査定額は38億円ということで、金額ベースで1.7%の査定状況となっています。
  
■ そうしたところ、平成22年度の行政刷新会議WG「事業仕分け」がありました。評価結果としては、実施機関を競争的に決定しなさい、事業規模は縮減しなさいという指摘でした。
 しかし、この事業仕分けの評価結果には、各委員の意見はさまざまでございまして、中には「外部委託は現実的ではない」「内部化を検討すべきだ」というご意見の委員もいらっしゃました。また、この事業仕分けに先立ちまして、前年に閣議決定されております政府関連公益法人の徹底的な見直しの中には、行政が直接実施することが真に必要なものについては、国の行政機関等が事務事業を実施できないかという視点で検討しなさいという項目もありました。
 これらの内容を検討した結果、レセプトの事前点検を保険者たる国に集約化するという結論を、厚生労働省として出しまして、これについては、平成22年6月の省内事業仕分けでこの改革案を提出し了承されました。
 それを受けまして、平成23年度に入りまして、各労働局ごとに、7月から12月にかけて、順次労働局に集約化を図り、昨年12月にすべての労働局の集約化が終わったという状況です。
 
■ レセプト審査の事務について、徐々に詳しい説明をさせていただきます。まず先ほど申し上げました労災保険指定医療機関もしくは薬局からの請求ですが、前月分をまとめて、先ほどのレセプトに個別の請求内容を記しまして、毎月10日までに労働局に請求をいただくことになっております。これについて、労働局においては、労災認定と不可分なものとして、すべてのレセプトについて審査をして、最終的に適正なものについては支払いを行っているところです。レセプトを審査し、支払額を計算します。体制としては、定年退職後の行政OBの活用もしくは非常勤職員の活用ということで、体制を整えています。
  
■ 審査内容です。診療報酬点数表等に基づく形式的な審査点検に加え、労災非該当レセプトを除外します。これは労災事由ではないということで、業務外の判断をするということです。また、レセプトの中には労災事由とは関係のない私傷病が混ざっている場合があります。これについても除外します。あとは、療養が長くなったものの中には、そろそろ症状固定、治ゆの時期を検討すべきものがないかというようなチェックをいたします。この下の3点についてが、労災固有として審査が必要な部分です。
 先ほど申し上げましたとおり、こうした情報と労働基準監督署の調査を両方併せまして、労災保険の支給対象とするか否かの判断があります。労働基準監督署が決定した情報を労働局に戻しまして、最終的には翌月の15日、例えば2月分の診療行為であれば、3月10日までに労働局に請求し、いまのような審査を経て、4月15日頃にはお支払いするというような流れで処理をしています。
  
■ もう少しそこのスケジュール観と内容を詳細にしたものです。毎月10日までに提出いただいた請求書を、まずは受付処理をします。その際に、新規のレセプトと継続のレセプト、ここは後ほど説明します審査事項が若干新規分と継続分とで異なるということで、区分けをいたします。
 真ん中の箱で具体的な審査事項をご説明いたします。診療報酬点数表等に基づく形式的な審査ということで、まずは記載事項の確認をいたします。レセプトの内容の記載漏れとか、お支払いをするのに各労災保険指定医療機関の番号が必要ですので、そういった形式的なものの確認です。続きまして、先ほど申し上げましたとおり、いろいろな点数表がありますが、それぞれで診療行為の確認ということで、その診療行為の名称、点数、その回数、あとは医学的な適否という内容を確認いたします。医薬品についても、その名称から、その療養に必要なものかどうかという確認とか、用法・用量が妥当か等の確認をいたします。
 続いて、その箱の点線以下が労災固有部分です。まずは、労災非該当のレセプトの除外ということです。被災された労働者は、先ほど申し上げたとおり、労災保険指定医療機関を経由して労働基準監督署に療養の給付の請求書を出しますが、先ほどの上段の形式的な項目に加えて、ここではその請求書と必要な情報の突合を行います。労災の場合は必ずしも診療費の支払いだけではありません。ほかに休業補償等の種々の給付がございます。そうしたものとシステム上データ管理をするということから、こういった労災固有の個人データを特定するための項目がございまして、これが適正に記入もしくはシステムの中で登録しておけるのかの確認等をしています。
 次に、被災労働者が書く請求書の中には、ご本人が労働災害に遭った発生状況が書いてあります。その発生状況と実際にレセプトに書いてある傷病の状況が、問題がないかという確認をします。こうしたことから、そもそもこれ自体が労災の非該当の事案ではないかというような確認をしています。
 続いて下の3の「混在する私傷病の除外」です。これまで請求がありました前月までのレセプトの中から、その月に突然に傷病名もしくは診療の内容が追加されていないかというような確認をします。後ほど詳しい説明をいたしますが、必要に応じて労働基準監督署に追加されたものについて調査指示を行います。
 4です。前月までの複数の診療内容から見て、対処療法が続いているというようなことで、そろそろ治ゆの判断をすべきではないかというような内容を確認いたします。
ここまで、受付からひとつひとつのレセプトの確認ということで、これは全数ですが、おおよそ各労働局では10日に受け付けたものを、その月の20日頃までにすべての確認を行っております。
  
■ これを踏まえまして、右の箱にまいりますが、「労災診療費審査委員会でのチェック」ということで、専門医による確認をしていただいております。これが大体月の最終週ぐらいに行われるのですが、これを踏まえて診療内容を再度確認した上で、システムに入力いたします。
 また、労働基準監督署では、別途その調査を行っておりますので、これが労災認定されたということであれば、初めて支払いに回ります。そうでないものについては引き続き支払いは保留されます。この支払いが翌月の15日頃になります。
  
■ 「レセプト全数の審査が必要な理由」ということで、繰り返しになりますが、診療報酬点数表等に基づく形式的な審査・点検に留まらず、労災固有として、別に調査が必要なものがないかというようなことを見る必要がありますので、これはすべてのレセプトのすべての項目について、確認をする必要があります。これを踏まえて、「医学的な事項に関する調査」ということで、主治医から意見書を提出していただいたり、もしくはカルテ、手術記録、レントゲン写真もしくはそれまでに行われた検査の結果といった資料の提出を求めたりします。それで最終的に労働基準監督署が決定するために、どうしてもレセプトの中から、必要不可欠な情報を抽出し、それを労働基準監督署に情報提供する必要があるということです。
  
■ 国への集約化によるコスト縮減の内訳としてまとめています。従前の委託をしていましたときの状況が左側の欄となります。委託事業として32億5,100万円という委託をしておりました。その内訳は、人件費、事業費ということで、ここにあるとおりです。多くは先ほどからご説明しているように、レセプトを1枚1枚目で見ていただくということから、人件費に使われております。
 そして、先ほど経緯の中でご説明させていただきましたが、コスト削減を図った上で、国への集約化を図っています。右側の欄になります。これは来年度の平成24年度の見込み額です。国へ集約化した形で、額としては22億8,700万円になっています。やはり国に集約化された後についても、人件費が16億3,100万円であり、多くが人件費となっています。がしかし、委託の段階から国への集約化の段階で9億6,400万円ほど、効率化を図って削減をして、今後進めていこうという形で取り組んでいます。
 19頁です。これは平成24年度の経費、22億8,700万円の内訳です。やはり人件費の部分で、先ほど説明いたしました再任用職員の給与、非常勤職員の給与が大きく占めています。560人程度の人を雇用して行っていくということになります。
 事業費では、すべて合同庁舎に入れば、土地建物の借料はゼロになるのですが、そういう合同庁舎に入れない、合同庁舎もいま非常に狭くなっているところです。外に場所を借りるということから、土地建物の借料も生じているところです。それが3億5,700万円となっています。より国の建物に集約化をすることによって、借料の削減も図れるものと考え、いま進めているところです。
 
■ また、もう1つの視点で、労災診療費の審査の状況ですが、次の20頁になります。実際請求された内容からレセプトの中身を適正な形にしていくことを査定と言います。先ほどもレセプトを見ていただきまして、髄内釘というところで、これは違うという形で査定を行っておりましたが、その状況をまとめたものが、こちらの表になります。件数と金額ということで分けています。過去3年間ということで、平成20年度から平成22年度のものを出させていただいております。
 レセプトの件数自体は、大体平成20年度で369万件から、平成22年度で350万件となっていまして、平均で356万件ほどの請求があるというところです。先ほどのように、それをひとつひとつ見て、ここはおかしいのではないかといって審査をし、見直しを図っていったものが、それぞれ26万、24万という件数が挙がっています。平均すると25万件ぐらいになります。率としますと、全体の中で7.1%ほど査定をしていることになります。
 それを金額ベースで見ますと、その下になります。平成22年度だけを見ていただきますと、請求金額としては2,214億8,391万円ですが、上で見ていただいたように査定をした結果、38億76万円が査定をしたという額になっています。全体の率として、1.72%ということで、先ほどの頁に戻りますが、「国への集約化」ということで、委託の関係で32億円の委託をしていたわけですが、その結果、査定をしているのが38億円で、その実際の委託をしている金額よりも査定の金額のほうが大きくなっており、非常に大きな効果が出ているところです。
 
■ また、健保の関係ですと、そのようなレセプトの請求というものが電子化されていて、オンラインで請求ができる形になっているところです。平成19年からそのようなシステムが稼働しているのですが、労災診療費については、そちらの対応のほうが若干遅れておりまして、いま労災レセプトの電算システムの開発を進めているところです。こちらについては、23頁をご覧ください。全国稼働としては平成25年9月を予定しているところです。それまでは労災レセプトについては、紙の状態であるということです。
 
■ 実際にオンラインでの請求がなされたらということを前提にして、コスト的なものの比較を24頁に作ってみました。24頁の参考資料10を見ていただきたいと思います。1にあるのが、まず国への完全移行後の形ということで、先ほど18頁で見ていただいたコストは22.9億円かかるというものです。これがその右側に2つ枠がありますが、合同庁舎に入居することにより、事務所の借料の削減を進めていくということで、これがゼロになったとすると、人件費等で19.5億円という額になっていくと考えています。
 それから、レセプトオンラインが稼働することによって、そこの一定程度の事務処理を機械で審査することが可能になるということを考えますと、さらに人件費は3.2億円程度削減できるのではないかと考えています。
 
■ こういう費用をかけて実際の審査をした上での査定減についてです。当然適切な審査を引き続き行っていきますので、38億円の査定が得られるものと考えています。
 
■ これはあくまでも厚生労働省労働基準局で積算をしているものであり、そういうものとして見ていただきたいと思いますが、支払基金に委託し、かつ労災固有の審査ということで、我々としては、もう一度労災固有の部分について審査をしなければいけないということを考えているところです。ですので、委託をし、労災固有の部分の審査を行うということで、コストの面を積算したものが2になります。
 コスト25.3億円の下に、基金に委託ということで3.5億円という額があります。これは別に支払基金にこのような額を聞いたわけではありません。いま支払基金のほうで、紙レセプトの委託を受ける場合に、いろいろ単価があるわけですが、大体平均をして、それを紙レセプト1件100円という単価で置いています。そして、先ほどから見ていただきました労災レセプトは年間で351万件というものですので、これを単純に掛けて、その額を委託の金額として置いただけのものです。
 そして、3.5億円の下に「国実施分」ということで21.8億円という額が書かれています。上の22.9億円から、支払基金で一定程度審査していただくということで、若干軽減される部分はあると考えています。そういうことから1.1億円分を削減した21.8億円を積み重ねまして、委託をした場合にはコストとしては25.3億円という額になるのではないかと考えているところです。
 いちばん右側に「査定減」ということで、38億円としています。これは支払基金のホームページなどで公表されている査定率を見させていただきまして、支払基金の査定率0.22%として、労災の請求額の2,215億円の0.22%に当たるものが査定されると考えまして、支払基金での査定額が4.9億円としました。ただし、もう一度すべてのレセプトについて国で見るという形から、査定額全体としては1と同じ38億円得られるものと考えています。支払基金のほうで査定をいただいた残りの部分の33.1億円は国のほうで査定ができる部分と考えています。
 また、3の部分については、労災固有の審査を含めて、民間に完全に委託した場合ということで積算しているものです。すべてを委託ということですので、やはりその体制として、一定程度の知識をお持ちの方々がやれるということで、例えば社会保険労務士のような方と、審査事務として医療事務の方、こういう方々の人件費を積算しますと18.1億円となります。それから、事務所の借料、事務経費については1の国のほうの事務経費、事務所借料の考え方と同じに積算をしています。ただ、全体を民間にお願いしたという場合には、コストとしては25.8億円ぐらいかかるのではないかと積算しているところです。
 いちばん右側の審査状況については、これは実際にそこまでやった経験がありませんので、不明という考えです。
 このように、実際の労災レセプト審査について、国のほうでやっていくのか、支払基金に委託してというものであるのか、また完全に民間に委託してということで、非常に粗い数値ではありますが、コスト比較をさせていただきました。
 
■ この資料は労災保険と健康保険を対比するような形での作りとなっています。労災保険のほうは、保険者としては国1つです。健康保険については、保険者として健康保険組合とか協会健保ということで、全国に1,500弱の組合がございます。また、労災保険については、保険料が全額事業主負担になっていますが、健康保険では、事業主と被保険者との折半の形になっています。
 労災保険にあっては、全額が事業主負担の経費に基づいて、唯一の国の保険者という中で、業務上外の判断から、レセプトの審査、支払いまで、一元的に取組をしているところです。
 健康保険の関係については、ここの中段ぐらいになりますが、審査機関ということで支払基金にその業務を委託しているところです。
 
■ これは労災診療費の不正請求ということで、労災保険指定医療機関の指定の取消しを行い、刑事告発をした例です。決して刑事告発を行うものが多いという話ではありませんが、先ほどの業務上外、それからレセプトの審査支払いを一体的に行う中で、こういう労災保険指定医療機関の不正も、取締りをしているところです。
 この事例については、労災診療費を不正に請求したものということですが、それが何で分かったのかは、17頁の枠囲いの下になりますが、交通事故ということで、被災労働者以外に第三者の加害者がおり、その加害者の損害保険会社に対する調査を定期的に行っておりました。
 そういう中で、被災労働者のCさんと加害者の間に示談が成立しているということを把握し、そういう事実の中から示談が成立したあとも、B医療機関については、引き続きCさんの労災診療費を継続的に請求してきたということで、架空請求が疑われ、速やかに医療機関に対する立ち入り検査を行うとともに、他の受給者の調査等を行い、実際にCさんが初診をしてから1年経過以降は、その病院を受診していなかったという状況を把握し、病院側はその後数年間にわたって、継続的に「状況が変わりません」ということでの請求をしていた事案です。このようにレセプト審査のみではなく一体的に処理を行っていることから、労働局の調査の中でわかったというものです。
 最後に説明させていただいたものは、労災保険指定医療機関の不正ということで、これは正直レセプト審査だけをしていてもわからないものです。実際に労働基準監督署に指示をして調査をしたり、またはそういう医療機関に再度調査をかけるという処理を一体的に行う中で、不正が発覚したという事案です。
 
★ 第2回労災診療費のレセプト審査事務に関する検討会議事録
労働基準局労災補償部補償課
2012年4月17日
 
【抜粋】
 
(1)社会保険支診療報酬支払基金の業務の流れ等について
 
■ それでは、社会保険診療報酬支払基金の業務の流れ等についてご説明をお願いします。
  
■ 私どもの支払基金の組織ですが、平成23年度でこういった役員、職員、審査委員の数を有している組織です。どのような仕事をやっているかというと、パンフレットの2枚目ですが、「『適正な審査』と『迅速な支払』で医療保険制度を支えています」ということです。左上の小さな説明書きにありますように、私どもは被用者保険、民間の健康保険組合や中小企業の方が加入する全国健康保険協会の健康保険、国家公務員、地方公務員等が加入する共済組合、こういった被用者保険に加入する方々の医療保険の医療費の支払いの業務を行っております。
  
■ 保険者の数、請求先の数が全国で約1万3,000になっています。医療機関は、全国22万7,000、病院、診療所、薬局、訪問看護ステーションから、保険証1つで全国どこでも診療を受けた場合に、その医療機関の所在する私どもの支部へこのレセプトの請求がされ、それを実際に保険者が所在する都道府県の健康保険組合等に請求します。
 その請求が診療翌々月の10日です。3ですが、それを受けて、保険者等のほうで10日後の20日までに私どもに支払っていただき、翌日の21日に各医療機関に支払うという業務を行っております。
 この審査と支払いの業務に要する費用については、6ですが、レセプト1件当たりいくらという形で各保険者、あるいは公費負担医療の実施機関から手数料をいただいております。
  
■ 従来は、このようなレセプトについては紙でしたが、いま着々と電子化が進んでおり、医療機関からオンラインで請求される、あるいはDVD等の電子媒体で請求されるというのが基本的な大原則になっております。ただ、まだ紙も若干残っています。
  
■ それを受けて、パンフレットの右側に「審査とは」と書いてありますが、診療行為が保険診療ルールに適合するかどうかを確認する、つまり、実際にこの患者にこういう病名でこういった診療行為を行うことが適切かどうか、例えば適切な投薬が行われているのか、あるいは適切な検査が適切な回数行われているのかどうかといったことが、保険診療ルール、基本的な療養担当規制、あるいは点数表、今年の4月に改定が行われておりますが、そういったルールに合致するかどうかをチェックします。ここに電子レセプトの審査の流れが書いてあります。電子レセプトについては、まずコンピューターで一義的なチェックをします。記載漏れ等の確認を行い、それを踏まえて保険診療ルールに適合しない可能性がある診療行為を抽出します。これもシステムでかけられるものはシステムでチェックをかけて、疑わしいものについては電子付せんが貼付されます。
 右ですが、その結果機械で一義的に弾き出したものが適切かどうかを職員がパソコンの画面でチェックして、審査事務を行います。これは適切ではないのではないかというものについては、医師・歯科医師なり薬剤師が審査委員になっておりますが、その審査委員が最終的にこれをチェックして、審査委員会で決定をするという流れになっております。
 先ほど言ったように紙レセプトの請求もありますので、資料2の「業務処理の流れ(東京支部の例)」をご覧ください。そこにありますように、電子レセプトが東京支部では平成23年10月診療分で見ると、電子で請求される分が89%、紙は11%、9対1の割合になっております。電子で請求されるものについては、コンピューターで事務点検チェックを行った上で、職員、審査委員がそれぞれパソコンの画面で審査をし、審査結果確認になります。紙はそういった電子的なチェックができないので、職員の目で審査事務を行います。その結果を踏まえて、審査委員がチェックをし、これは不適切なものであるから査定をするという審査結果を踏まえ、計数整理・増減入力を行います。
  
■  支払基金の組織のところで審査委員の数が、全国で4,674、医科・歯科・調剤それぞれに委嘱しております。そのうち医療顧問が102人と書いてありますが、審査委員は非常勤であると申し上げましたが、常勤的な審査委員の先生方を医療顧問として、常日頃から支部内の審査委員間の調整や職員への指導といったことを常勤的な立場で指導いただくこととしています。
 組織としては、本部に理事会があって、支払基金の組織は保険者、これは先ほどから申し上げている健保組合や協会けんぽ、共済組合といったところの代表の方、被保険者、これは加入している方ですが、組合の代表の方と考えていただければよろしいと思います。また、診療担当者の代表、これは日本医師会、歯科医師会の代表の方、それから、公益代表です。私も公益代表という役割ですが、この四者構成で理事会が構成されており、この理事会で最終決定をしていくという運営になっております。
 
■ 右の特別審査委員会は、点数の高いものの審査については本部で一括して行うことになっており、例えば医科レセプトでいうと1件で40万点以上、400万円以上のレセプトについては、本部で集中的に審査をするといった体制がとられております。それ以外のものについては、各47支部でそれぞれ審査委員会が設けられており、この審査委員会の委員も診療担当者、保険者、学識経験者それぞれから出していただくという構成になっております。
  
■ 支払基金における審査ですが、先ほど申し上げたように実際の診療行為が療養担当規則や点数表によって定められている、いわゆる保険診療ルールに適合しているかどうかを確認するということですが、そこにありますように、確認する必要のある項目が大変たくさんあります。こういったことを、電子レセプトに移行しつつある中で、機械でできるものはできるだけ機械でやっていく、人が目で見てやるものについては、極力人でなければできないものに集約していこうということで、いま進めているところです。
  
■ レセプトの電子化ですが、平成24年の2月審査分で電子レセプトが90.1%になっています。オンラインで請求されるものと媒体で請求されるものがあり、これを保険者に請求するにあたっては、保険者もオンラインで受け取ることが原則とされているわけですが、なお紙でないと受け取れない保険者もあり、医療機関側からの提出よりは受け取る側のほうが電子の状況はまだ10%近く少なくなっている状況です。
  
■ 各医療機関の種別ごとの提出状況を見たものが6頁です。トータルでは90%になっていますが、特に歯科の状況はまだ紙のほうが多くなっております。これは、電子化の取組みは厚生労働省で請求省令等を定めて方向性を示してやってきておりますが、歯科は電子化の取組みが遅れたということで、少し紙の割合が高くなっているという状況です。
 
■ 7頁ですが、審査実績です。医科・歯科レセプトと調剤レセプトとそれぞれあって、平成22年度1年間、請求件数・金額はそこに書いているような件数・金額になっており、保険診療ルールに適応しないと判定されたものが件数にして約1.1%、金額にして0.2%といった状況になっております。調剤は、薬剤師の審査委員が最近導入されたこともあって、調剤単独の数字を取るにはまだ至っておりません。
 
■ 8頁です。再審査の実績ということで、要は審査のあと、それぞれ保険者、医療機関から不服があるということで申し出てこられるものが再審査です。保険者による申出は、査定になってしかるべきではないかという不服申立ですが、1年間で医科・歯科分で461万件、調剤の分で135万件と出ており、それぞれ右に書いているような査定の金額になっております。また、医療機関からもともとの審査委員会の査定がおかしいのではないかと、きちんとした医療をしているにもかかわらず、どうしてこれが査定になるのかといった医療機関側からの査定に対する不服申立で、それに対してそこに記載しているような件数・金額が再審査の結果認められており、こちらは増加をするわけです。一旦査定したものが不服申立で来ますので、査定戻しというか、元に戻すということで、増加分と記載されているのはそういう趣旨です。
  
■ 9頁です。私どものパフォーマンスですが、全査定点数に占める再審査の査定点数の割合です。私どもは見落し率という言葉を使っておりますが、最初の原審査段階での査定と、先ほど申し上げた再審査で不服申立で出てきて査定になった分、この両方を合計した分に対する再審査で出てきた査定の分の割合です。要は私どもの原審査段階で見落としがどれだけあったかの指標です。これまでいろいろな審査を充実させる計画を進めてきたこともあって、見落しの割合、不服申立で出てきて、再審査の結果やはり見落しであったと、もともと最初の段階で査定すべきだったというものの割合が下がっていることをお示ししています。
  
■ 10頁です。医科電子レセプトの査定に対する職員、審査委員の寄与度はどうかということです。一義的に事前に私どもがシステムを組み、こういうものについては疑わしいものとして付せんを貼るようなシステム作りをして、それに応じて出てきた分が、平成24年1月の審査分で全体の疑義付せん貼付箇所数の89.8%です。これを職員並びに審査委員が最終的に確認をするということで、最終的に査定につながるのが、査定となる箇所数のうち46.2%、点数にすると右側の46.3%になります。コンピューターに事前に仕組んだチェックにはかからなくて、職員が知識・経験に基づいておかしいのではないかと疑義付せんを貼るものが1割程度ということですが、これは最終的に職員から審査委員に上げて、査定につながります。33.3%がそういうものです。残りは職員も気がつかないで、審査委員が独自に見つけたものが20.4%という、それぞれの寄与度の割合になっております。これを見ると、審査委員の役割が小さいのではないかという誤解をされかねないかもしれませんが、実際のコンピュータチェックのかけ方、あるいは職員にこういうところに着目すべしといったことも、審査委員のアドバイス・指示によって行われているものが多数ありますので、審査委員全体の寄与度はもっと大きいということです。
 
■ 15頁ですが、私どもが最近取り組んでいることをPRしております。「突合点検・縦覧点検」といって、最初に申し上げたように、私どもの点検はその月のレセプト単体をチェックするということでこれまで来ておりましたが、電子で請求されるものについて突き合わせることが可能になってきました。16頁の突合点検は、医療機関からこういう治療をしましたというレセプトと、処方せんをもらって町の薬局に行って薬をもらうという医薬分業で進んでおりますが、そういったときに調剤で出している薬ともともとの診療所や病院で診ていただいている病名とが合致するかどうかは、いままではそれぞれ別々で請求されており、特に紙ですから、最も膨大でそういう突合ができませんでした。いままではそれぞれが最終的に保険者に送られて、保険者のほうで患者ごとに、例えば、足利なら足利の分を突合して、この病名に薬局からこんな薬が出ているのはおかしいのではないかということを、調剤審査の形で保険者から申し出されていたわけですが、電子レセプトになってきますので、最初の段階でその内容を医療機関と薬局から出てきた分を突合し、その段階で疑いのあるものをチェックしていくことができるようになりました。これまで院外で薬をもらっているのではなくて、院内で処方している分については当然1枚のレセプトで薬も出てきますから、それはいままでやっていたのですが、別々に院外でいってしまう分については点検ができていなかったものが、これまでの院内処方と同じような点検ができるようになったということです。
 
■ 17頁です。もう1つは「縦覧点検」といって、これまでレセプトは受け付けましたら、翌月の10日までに保険者に請求することになっていたので、私どもの所には基本的に残らないという状況でした。例えば診療ルールの中でこういう診療行為は2カ月に1度というようなものがありますが、そういったものも間違って毎月請求されていても、私どもの段階ではチェックのしようがなかったのですが、電子レセプトになり、私どものほうで請求したレセプトの写しを保管をして、前月と見比べることで、2カ月に1度しか請求できないものが毎月請求されているというものもチェックができるようになったということです。今年の3月から始めており、最初の状況が間もなくまとまってくる段階ですが、そういった新しい取組みもしております。
 
■ 私どもの手数料はどうやって算定されて、各保険者からいただいているかをお示ししたものが18頁です。基本的に診療報酬支払基金の法律があって、その中で、かかる費用をレセプトの件数で除しなさいという原則が書かれております。平成24年度においては、本来手数料でいただいて賄うべき支出が773億円で、私どもの必要な支出が876億円、その中から手数料以外の収入が若干あります。また、積立預金があって、そういうものを差し引いて773億円を保険者の皆さんから負担していただくということで、見込みのレセプト件数で除して、1件当たり平均83円50銭という金額を平成24年度において各保険者からいただくことにしております。
 
■ 平均の手数料の金額は19頁ですが、かなり引き下げてきております。これは、電子化が進んで、かなり人件費を圧縮することができているということが大きな要因になっています。
 20頁にあるのが今年の1件当たりの手数料額で、毎年各保険者の代表である健康保険組合連合会あるいは協会けんぽと協議をし、私どもはこれだけ必要であるということをお願いして、向こうもこういう時代で厳しいのだから、もう少し下げてくれないかとか、そういう協議をして、このような金額に落ちついています。そういう民間団体としてのやり取りをした上で、毎年こういう手数料の設定をしているということです。以上です。
 
■ 職員の審査事務の日数は、先ほどの資料の業務種類の流れ、東京支部の例の2頁を見ますと、10日に受け付けて、事務点検・審査事務が20日過ぎまでかかっております。大体当月の21日ぐらい、したがっておよそ11日間ぐらいが、標準的に事務職員が担当する審査事務期間としております。
 
■ 月何件のレセプトの審査を担当するのかということですが、実際に審査事務を担当している職員の数が約3,000人です。私ども職員の数は、全体で4,936人と申し上げましたが、そのうち審査事務を集中的に担当している者は3,000人という数になっております。実際に平成23年度に受け付けた数は年間6億件で、これを医科・歯科レセプトの件数で割ると、大体月に約1万7,000件を1人の職員が担当するという計算になります。
 
■ 職員の寄与度は、先ほどもご説明させていただきましたが資料の10頁です。この中でコンピューターのチェックによらず、職員が発見するのが貼付疑義付せんとして、疑わしいということで付せんを貼るのが全体の10%程度の数です。これが、実際に先生方の審査を経て査定になるのは、真ん中の小さいグラフにあるように27.9%の箇所数となります。その左に楕円で10.4%、55.1%と書いてあるのは、職員が付けた31.3万箇所のうち、審査委員の目まで通して査定につながるのは55.1%ということです。それだけ職員は怪しいと思うところを重点的に見ますので、このような割合になります。片やコンピューターは非常にたくさんの箇所をチェックしますので、実際に査定につながるものとしては10.4%という割合になります。したがって、全体の査定の点数の中に占める割合というのは、先ほど申し上げましたように、右側の割合としては33.3%となります。これが、職員の寄与度ということでご理解いただきたいと思います。
 
■ 審査委員の月当たりの審査日数は、東京支部の例は先ほど申し上げましたように、1月は19〜25日までの7日間になっております。東京のような件数の多い支部はこうなっておりますが、件数の少ない所は審査委員会は3日で終了という支部もあります。先ほど申し上げた職員の審査事務を終えて、毎月18日前後から26日ぐらいまでの間にマックス7日、短くて3日といったところです。
 月に何件のレセプトということですが、先ほどの件数を、審査委員の数4,600人強で除した数で申し上げますと、月に約1万1,000件という数字になります。
 
■ 審査委員の査定の割合は、先ほどの10頁のグラフの右側の査定の点数で見ますと20.4%という数字です。これは先ほど申し上げましたように、その下の部分について審査委員は何も寄与していないかというとそういうことではなくて、職員にあらかじめこういうところをチェックすべしという指示に基づいたり、あるいはコンピューターでこういうチェックをかけなさいということが、支部単位でもチェックできるようになっておりますので、そういう審査委員の指導・助言に基づいて、職員やコンピューターが見つけ出しているところがありますので、単純に審査委員の貢献度が2割ということではないということをご理解いただきたいと思います。
 
■ 保険者の申出は基本的に私どもが原審査で見落としではないですかと、これは査定すべきではないですかということで査定しなかったことによる不服というものが保険者からの申出です。これが、平成22年度には461万件出ております。医科・歯科のトータルの請求に対する申出の割合を申し上げますと、医科・歯科の総体が約6億件と申し上げましたが、その6億件で割ると約0.76%という割合になります。
 
■ 片や医療機関による申出ですが、医療機関は私どもの審査委員会で査定したものについて、どうしてこんなものを査定するのだ、これはきちんとした診療ルールに合致した請求である、この査定は見直してほしいということで、査定したことによる不服の分です。この申出を出していただく際には、個別の患者さんの状況はこうなのです、こういう状況であったので、これだけの診療行為を行ったのだという説明が付いてくることが多くて、ここまで薬が大量すぎるのではないかということについて何も説明がない段階では、一般の水準からいくと多すぎではないかというのが、最初の私どもの審査委員の判断だったのです。そういう個別の事情の申出などもあり、そういう場合であれば、それは致し方ないというか、そういう診療行為は適切であろうということで、医療機関の申出、査定したことによる不服を入れて戻すというのが、ここにある8万件になります。この申出の23万件は、不服の割合でいうと、全体の医科・歯科のもともとのレセプトの数でこれを割ると約0.039%という非常に少ない割合になっています。
 
■ これについてさらに不服であるという場合は、当然再々審査となります。8頁の図でご覧いただきますと保険者からの申し出が461万件、そのうち査定となるのが181万件です。したがって、残りの280万件については、もともとの医療機関からの請求どおりで構わないのだという判断だったわけです。それについて、いやいやそれはどうしてもおかしいのではないかということであれば、さらにもう一度再々審査という形で出てきます。あるいは医療機関のほうも、それは査定してしかるべきだということで行った、審査委員会の再審査結果に対して、さらに不服であるという場合は再々審査という形で、稀にはあります。
 
 ■ 18頁でお示ししておりますのは、全体としてこういう考え方ですということでお示ししております。20頁の平成24年度手数料負担の水準は83円50銭ということで、具体的に右側に、保険者がレセプト又は連名簿を受け取る形態別に単価が異なっているのがわかるかと思います。これは、基本的な価格は全平均で83円50銭なのですが、この中でレセプトの種別として医科・歯科分と調剤分と分けてあります。全部を平均すると83円50銭なのですが、調剤分の審査は事務負担が非常に軽いものですから、したがって実際にかかっている費用に応じた単価設定が望ましいであろうと。実際に調剤分にかかっている費用が、医科・歯科分の費用の半分ぐらいであるということで、医科・歯科と調剤とを2:1ぐらいの割合で設定しているということです。
 それを全平均すると83円50銭なのですが、右側のほうの電子媒体、電子レセプト、紙媒体と分かれているのは、実際に電子で請求が医療機関から請求された分を、そのまま保険者に電子で受け取っていただく場合は、左側の99円40銭なり49円60銭で結構なのですが、中にはオンラインだけではなくて、電子媒体としていただきたい、あるいは先ほど申し上げました、まだ十分受取り側のほうがオンラインで受け取る体制ができていないので、これを紙に打ち出してほしいという受取り側の要請もあります。そういう受取り側の要請に応じる場合、それだけ余分なエクストラコストがかかりますので、そのエクストラコストをそれぞれに上乗せさせていただいています。これが電子媒体分の1円30銭の差ですとか、あるいは紙で受け取る場合の111円40銭ですから12円の差というところが、実際に特別にかかるかかり増しの費用を上乗せさせていただいているということで、基本は83円50銭ということでご理解いただきたいと思います。
 
■ 導入当初、電子の画面はという先生もおりましたが、いまお示しいたしましたように9割以上が電子化されていますので、ほとんどすべての先生が電子の画面で審査をやっております。
 
■ 医科で40万点以上、歯科で20万点以上のレセプトは、3月の直近の審査分では、医科・歯科合わせて1,758件です。
 
■ 18頁の審査支払事務手数料の算定方法の説明をしていただきましたけれども、支出総額の876.3億円は、主に人件費なり物件費なりに分かれるかと思いますが、大まかにで結構ですけれども、その内訳を教えてください。
> 大雑把に申しますと、人件費、職員の給与諸費が約半分程度になっています。コンピューターの関連経費、経常経費といったものが3割程度。先ほどから出ております審査委員会の先生方に支給する手当が大体15%ぐらいという割合になっています。
 
■ 審査の範囲といいますか基準についてですが、直近の状況を存じ上げないのですが、以前はレセプト上では傷病名と投薬で、禁忌投薬がときどき見られました。いまはコンピューターでのチェックの項目として、禁忌がチェックできるようなプログラムが入っているのでしょうか。
> 入っています。
 それは、薬価収載のほとんどの禁忌項目は全部入力してあるということですか。
> ほとんど入れています。ただ、実際は禁忌になってもレセプト上での判断もありますので、そこは禁忌も入れています。
 
■ 各分野で、特に過剰診療となる場合に、それぞれの分野、病名によって傾向が一定程度あると思うのです。そういうものを、審査委員が見る前に何かラフにチェックする。例えば検査の回数とか、月2回というようなものではなくて、まさに癌の末期などで相当回数が多いと。以前は、ビタミン剤の安易な投与があったりしました。そういうノウハウみたいなものを、プログラム化するようなことはされているのでしょうか。
> 後者の医薬品の投与量については、ほぼすべて、要は異常値も含めて、基金の中での異常値も含めて、あるいは添付文書の中で最大量が決められているもの、あるいは決められていないものの中で異常値という形で、ある一定の線を引いて、医薬品の量についてはほとんどチェックしています。
 
■ ジェネリック薬品が出ています。私は医者ですけれども、自分でAという薬を出します。ところが、患者さんが調剤薬局へ行くと、Bという安いほうが出たとします。この連携はコンピューター上でわかるのですか。私のほうで処方箋を書きますが、調剤薬局へ行って何が出されているかわからないという現状が結構あります。患者さんが持ってくれば、こういう薬かということはわかるのですが、それが実際こちらの点数で出しています。調剤薬局で悪いことをしようと思ったら、安いのではなくてこちらの点数で請求するということもあり得るのかと思ったのです。
> それは、実際の不正です。もともと薬剤師は処方箋に基づいて処方していますから、先ほど私どもが言った書面で出てきます。
 だから、そこでジェネリックに変えることができるので、私が判こを押していれば向こうが変えるわけでしょう。
> 変えます。
 松島先生 そうしたときに、それは実際的には安いものになるわけです。
> そうです。
 でも、こちらが処方して書いているのは、高いのが書いてあるわけです。そこのところが、コンピューターで連動的に見えるようになっているのかと、ときどき思っていたのです。
> それは、処方箋と私どもに請求されるものの連動は図れておりません。ですから、私どもは先生がおっしゃるジェネリックでの請求が来ていることになるでしょうから、それは薬価が適切かどうかを見ることになると思います。
 
■ もう1つは副作用が起こった場合に、書いた医者のほうに責任が来るのです。ジェネリックを出したのは私ではないのだけれども、調剤薬局が出して、ときたまそれで不幸にも副作用が出たときには、処方箋を書いた医者の責任だということで来るのです。これも困った問題だと思っています。
 
■  議事の2番目に入ります。「労災保険指定医療機関以外の医療機関を受診した場合の流れ等について」、事務局から説明をお願いいたします。
 左の方ですが、労働者が労災事故に遭って被災した場合に、労災指定以外の医療機関を受診した場合には、まずその受診にかかる費用については、全額を一旦被災労働者本人に負担していただくことになります。被災労働者は、医療機関のほうに「療養補償給付たる療養の費用請求書」を提出し、それについて医療機関のほうから必要な証明をいただくことを依頼します。この証明の内容は、療養の事実を証明するとともに、通常の労災保険指定医療機関のほうでレセプト請求していただくような内容と同じことを、請求書の裏面に、診療内容の内訳とか金額を書いていただくことになります。
 この請求書に、被災労働者が必要な内容も記入した上で、所轄の労働基準監督署へ請求書を提出することになります。労働基準監督署においては、この括りの中の左の箱で業務上外に関する調査、その災害の発生状況等を確認し、その事実関係に関する調査、医学的な事項に関する調査、これは当該怪我又は傷病が、その労働災害に起因するものかどうかという調査をしていきます。ここについては、前回の流れの中でご説明した内容と、労働基準監督署が行う部分ということでご説明した内容に類似しているものです。
 その括りの中で右側のほうが、先ほどの請求書の中のレセプトと同様に、療養の内容等を書いてある部分についての確認を行う部分です。まずは、診療報酬点数表等に基づく基本的な審査点検を行います。続いて、この診療内容の中から、労災固有の部分の確認事項がないかということで、私傷病が混ざっていればそれを除きます。もしくは、診療の内容からして、そろそろ治癒の時期というものがあるのではないかという確認をいたします。
 この両方を、労働基準監督署において調査・確認をし、その下に矢印が2つ下りておりますが、業務上外の認定と、最終的に支払いをする内容の確定をいたします。実際に支払いをする金額がこれで決定いたしますが、現在はシステムで厚生労働本省のほうに繋がっていて、最終的に請求がありました被災労働者本人の口座には、システムを使って厚生労働本省のほうから支払いをしております。これが怪我をしてから、労災指定以外の医療機関を受診した場合の事務の流れとなっております。いちばん下に、過去3年間の支払いの件数と金額を参考で付けております。
 参考資料2は、労災保険指定医療機関からレセプト請求があった場合です。前回ご説明いたしましたが、平成23年度の途中までは外部に委託しておりました。その際に、委託業者が行うべき内容と、労働局もしくは労働基準監督署が行う事務は何かということです。これ全体を総括いたしますと、前回ご説明いたしました事務の流れになるのですが、委託していた時代の状況を今回ご説明させていただきます。
 被災労働者からは、労災保険指定医療機関に「療養の給付請求書」が提出されます。労災保険指定医療機関については、1カ月の単位で、実際にその被災労働者になされた療養行為をレセプトに記入し、複数の労働者の分を総括して請求書を頭に付けて、所轄の労働局に提出いたします。労働局では、この受け付けた書類を、委託業者と労働基準監督署に振り分けます。まずは、被災労働者から提出された療養の給付請求書は、労働基準監督署に送付いたします。その写しを取り、なお医療機関から上がってきた請求書、レセプトを委託業者へ持ち込みます。
 今度は左のほうでご説明させていただきます。委託業者には、審査点検の事務補助という委託をしておりますので、こちらの内容について全数見ていただきます。大きく分けて、診療報酬点数表等に基づく基本的な審査点検を行います。次に、労災固有部分の点検を行います。追加傷病について確認をいたしますというご説明を前回いたしましたが、これについては前月までのレセプトの内容から確認をすることにしております。すべての修正内容、疑義について疑義付箋に記入いたします。この疑義付箋とレセプトの情報について、一旦労働局にフィードバックしていただくところまでが、事前点検の内容となっております。
 労働局については、委託業者から受けた内容について、改めて全数の内容を確認いたします。特に、疑義付箋が付けられた事案については、重点的に確認をいたします。そうした中で、疑義内容の精査をしていくのですが、必要に応じて被災労働者や医療機関等に内容を確認後、労働局のほうで問題点を整理することもあれば、業務上外の判断に必要不可欠な情報については、労働基準監督署に対して調査の指示、情報提供をいたします。
 ここで、改めて労働基準監督署の確認ですが、まずは労働局から転送された療養給付請求書に基づき、必要な調査を行っております。それに加え、先ほどの労働局からの指示、情報提供を踏まえ、業務上外の判断をするために、主治医に対する意見照会、この場合は最終的な処分に結び付けるために、意見書の提出をお願いするのが一般的な手法です。ほかの方法としては、具体的なカルテ、レントゲン写真、手術記録の提供をお願いし、その内容から事実関係を確認いたします。このような形で労働局から提出されたレセプトを活用し、医学的な観点からの確認を行います。これらすべての調査確認をした上で、個々の労災請求事案について、業務上外の認定をいたします。
 改めて中ほどの労働局に戻ります。先ほど、労働局の職員が審査・点検事務を行い、労働基準監督署に情報提供するところまではご説明させていただきました。そのまま細い線で矢印が下に下がっております。「労災診療費審査委員会」のほうで、内容を審査確認をしていただき、ここで個々のレセプトについて査定内容が確定する運びになります。この先は、改めて委託業者に対して、審査済みの請求書、レセプトを回送いたします。委託業者において、これを支給するためのシステムのほうに入力していただきます。
 この入力結果と、労働基準監督署が業務上外をどのような判定をしているのかを労働局のほうで確認し、未だ労働基準監督署が調査中ということであれば、診療審査委員会を経たものであっても支払いは保留となります。業務外という判断をしたということであれば、審査内容にかかわらず、当該レセプトについては不支給となります。次に、業務上の認定がされたということになると、下に矢印が下がって、ここで支払いの決定という行政の行為をいたします。これについても、先ほどの費用請求書と同じように、システムで厚生労働本省のほうに繋がっておりますので、支払いのほうは一括して厚生労働省のほうで、各労災指定医療機関のほうに振込みの手続をさせていただいております。
 参考資料3ですが、前回の説明の際に事業仕分け等の経過を踏まえ、委託から行政のほうへ集約化いたしましたということで、金額についても平成22年度から平成24年度で大幅な減額をいたしましたというご説明をいたしました。今回の資料は、途中の平成23年度のプロセス及び平成21年度以前の委託時代の予算額も計上しております。今回この資料で申し上げたいのは、いままで外部委託をしておりましたときにも、予算額については必要な精査を行い、縮減を図ってきたところです。なお、今回の見直しを図り、だいぶ大きな金額の見直しを図ってまいりましたということのご説明です。
 資料は以上ですが、前回のご質問に対する宿題が残っています。労災の診療費審査委員会はどの程度のレセプトを見ているのかというご質問でした。効率的に審査委員会の際にレセプトを見ていただくために、職員がすべてのレセプトを確認し、問題のある事案については付箋を付しております。その付箋の中には、具体的にこういう内容に疑問があるということを付しております。労災診療費審査委員の先生方には、医学的な判断を要する事案やそれ自体に疑義がある事案を重点的に審査をしていただいております。
 平成22年度については、重点的に審査をしていただくということで、疑義付箋の対象となったのは、全体で20万弱という件数で、パーセンテージにすると5.5%です。以上です。
  
★ 第3回労災診療費のレセプト審査事務に関する検討会議事録
労働基準局労災補償部補償課
2012年4月25日
 
【抜粋】
  
(1)労災診療費のレセプト審査事務の在り方等について
 
■  職員の規模は、労働局においては審査担当職員数561人、審査委員数543人。支払基金においては審査担当職員数は3,000人、審査委員数4,674人です。職員の専門性という観点ではどのような対応かということですが、労働局においては労災保険制度や医療事務の知識・経験を有する再任用職員及び非常勤職員を採用して、採用後、研修等を通じて専門性を高めるという形です。支払基金においては、採用後に各種研修を通じて、保険診療ルールの知識を高めるという対応を採っています。
 「審査内容」です。労働局においては、診療報酬点数表等に基づく審査点検は業務上外の審査と併行して実施しており、及び労災固有部分(私傷病や治ゆ等)の審査点検を行っています。支払基金においては、療養担当規則、診療報酬点数表等の保険診療ルールに適合しているかどうかを確認しています。
 続いて「取扱実績」です。最初に労災は、請求件数351万件、査定件数24万6,000件、請求金額2,215億円、査定金額38億円となります。支払基金は請求件数6億1,226万件、査定件数663万件、請求金額11兆3,496億円、査定金額247億円です。
 その下に「取扱推計」を付けてあります。取扱件数等の推計ですが、取扱実績や職員数を使って単純計算ですが、一応推計をしておりますのでご説明いたします。まず、労働局のほうでは、審査担当職員1人当たりの審査件数は1カ月当たりでは521件、1日当たり52件です。審査委員1人当たりの審査件数は1カ月当たり539件、1日当たり539件です。請求金額と件数を割り戻しますと、レセプト1件当たりの平均請求金額は6万3,105円になります。支払基金の場合は、審査担当職員1人当たりの審査件数は1カ月当たりで1万7,07件、1日当たりに換算して1,546件です。審査委員の審査件数は、1カ月当たり1万916件、1日当たりに換算して1,559件です。レセプト1件当たりの平均請求金額は1万8,537円という数字が試算されます。
 8頁の参考資料5は、支払基金に委託した場合の手数料として、どのぐらいかかるかを試算したものです。労災の請求件数351万件を、医科等、調剤に分けて積算しています。平成22年度労災レセプト件数に支払基金の手数料単価、医科・歯科99円40銭、調剤49円60銭を乗じて積算したものです。手数料額は3億1,600万円と積算されます。
 
■ しかしながら、そういう中でもそれに納得できないものがあります。11頁をご覧ください。1つ目の○印は、保険者と医療機関との間で意見の相違があった場合、民事裁判による手法によらず、お互いが納得する形で請求・支払額を効率的かつ迅速に確定する「紛争処理の仕組み」ということで、保険者の代表、診療担当者の代表、公益の代表の三者構成の審査委員会の中で審査を行っています。このような仕組みによって、専門的見地から中立的な審査が担保されています。この辺の部分については、これまでの説明の中でも出てきたものを確認ということで資料を提出させていただきました。
 
■ まず1つ目は「検討の対象」ということで、論点1「レセプト審査事務の委託等として検討する対象は何か」です。こちらはここ2回の会議の中で、レセプト審査事務の対象として、労災診療費、薬剤等の関係についてご説明してまいりました。また、第2回目の会議に、労災保険指定医療機関ではない医療機関を受診した場合、費用請求の仕方という事務処理もご説明しました。ですから、今回の検討の対象として、どこまでを対象とするべきかが1つ論点になるかと思います。
 2点目は「労災診療費の労働基準法・労災保険法の位置づけ」ということで、論点2は「労災保険制度の特徴」についてです。労災保険制度についてご説明してまいりましたが、業務上の災害によるものを補償の対象としています。そういう中で私傷病を排除するという話だったり、治ゆの時期を判断するといったこともご説明してきましたが、そのような労災保険制度の特徴などについて、ご議論をいただきたいというところです。
 3番目は「審査」ということで、ここには3つの論点があるかと考えております。論点3は、労働局と支払基金との審査目的・内容の違い。それから論点4は審査体制の違い、論点5は取扱実績、査定の実績などをどのように捉えるのかという点があるかと思います。
 4番目は「支払基金に委託するとした場合」ということで、ここには4つの論点があるかと思います。論点6は、委託するとした場合、対象業務はどこまでになるのかという点です。論点7は、労働局と支払基金で判断が異なった場合、どのように考えるのかという点です。これについては支払基金が労災固有の事由なども査定するとした場合、労働基準監督署長の不支給・治ゆなどの認定の行政処分とその判断が異なった場合、何らかの整理が必要になるのかどうかといったポイントもあるのではないかと思います。論点8は、委託するとした場合、審査期間をどのように考えればよいのかという点です。最後の論点9は、委託するとした場合、費用対効果をどのように考えればいいのかという点です。こちらについては、本日も手数料の積算という資料しか提示できておりませんので、後ほどご議論いただいて、このような資料をというご指示があれば対応したいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 
■ 2回目の会議のときに、実際レセプトでの請求ではないのですが費用請求というような形で、一旦労働者の方が全額を負担した上で、その請求を労働基準監督署のほうに出してきます。それも、実は請求書の裏面がレセプトと同じ内容になっています。その内容もやはり審査をしているものですので、それも対象にすべきかどうかという点です。
 
■ 健康保険の場合は、そういう費用請求というのはないのでしょうね。保険医療機関でないお医者さんに行って診てもらって請求するということは、健康保険の場合はないのでしょうね。
> 健康保険の場合にも、一旦立て替えておいてあとで精算するというような仕組みはあります。
 
■ 論点だと思いますが、今の併行審査のように業務上外の認定の判断が出る前に委託するということは、事実上可能ですか。委託していて業務外だという判断が出て審査業務が終わっていれば、それは手数料を払わなければいけないですよね。しかし、払う義務のなかったものを見てもらって手数料を払うというのは、いかにも変な気がする。そういうことは、外部に委託した場合あり得るのかと。
 それともう1つやっかいなのは、これは保険者の中でやっているからいいですが、さっきの支払基金の説明を見たら、参考資料1ですが、保険者のほうが再審査の請求ができるようになっているでしょう。もしどこかにレセプトの審査支払を委託したら、国にはやはりその業務は残ります。これは外へ出せないのではないだろうか、どうですかね。
> 今の点については、たとえ基金なりどこかの団体に審査を委託しても、労災保険の保険者たる国がそれを100パーセント信じてやるということは、やはりないのかなと。上の健康保険の場合と同様、保険者としてのチェックというのはやっておかないと責任を果たせないのではないかと思います。やはり、二重手間といいますか、そういうことにはなるのかなと思います。あと、業務上外の判断は、労働局内でやっている分にはそれは本来業務ですが、その一部を外部にスクリーニング的に委託できるのかという問題とかも。
 
■ 私は、大体1万1,000件ぐらいを1週間でします。大体40時間弱ぐらいかかります。しかし、継続のレセプトは内容は少し薄くなります。また、病院により傾向があり、その点だけを審査すればよいのです。労災の場合は、最初の段階で私病か労災かを調べて労災があれば、一旦診療所に返し、労災と私病のレセプトに分けて再提出してもらえば1ヶ月遅れで審査することになります。
 
■ 費用対効果の話が出ているので、私もちょっと。労災診療費のレセプト審査というこの行政の目的というか、ここの効果のほうなのですが。この査定金額38億円というものは、これは下回ってはいけないという数字なのか、それともこれを下回ったとしてもコストがそれ以上下がれば、それはいろいろなことの検討の余地があるのか。そこの辺りが結構議論の前提になるのかなと思ったので、最初にお伺いすればよかったのですが、その辺りはどうお考えでしょうか。私としては、精度の信頼性を担保するためには、この程度の査定金額というものは維持するんだという考えでいらっしゃるのかなと理解しているのですが、いかがでしょうか。
 
■ 第1回目の資料で参考資料8の20頁になりますが、過去3年間の査定の、これは労災保険の査定の実積ですが、過去3年間、少なくとも36億円以上は査定の実績があったので、この程度は出ないと、査定がきちんとできているとはいえないのではないかと私どもは感じております。例えばこれが極端に10億円だとかということになると。少なくとも実績として今まで36億円以上の査定をしてきておりますので。
 
■ 私、健康保険法の条文がわからないのですが、まずお医者さんのところに病人が来たというようなときは、お医者さん自身は、本人からの申し出がなければ特に労災というルートを選択する必要はないのですか。最初の時点では。
> これは、最初のときに窓口で事務の方が労災か交通事故かどうか聞きます。それからレセプトを作ります。本人の申し出で決めます。
 
■ 例えば指を怪我したというようなときに、お医者さんがそういう話を全然しなかったら。
> 医者は必ず現症を聞きますので分かりますが、事務のところで話を聞いてカルテを作ってしまいます。例えば、労災のカルテが作られ、ほかの症状があるときに医者はその治療もしてしまいます。そうすると、事務のほうで最後に会計するときに、これは労災ではないのではと、事務が教えてくれます。そこで「カルテを2つ作りましょう」ということになります。普通はそうです。ところが問題は、最初、健保でかかっていて、半年ぐらいして治ってからまた痛くなり再発だと受診され、実は、前回のも労災ではないかと言ってくると困ってしまいます。一度治っていますのでそれは病院としては受け付けられません。神奈川県では、いま社保と労災に精通している先生を中心に労災と社保と国保と、勉強会を年に何回か開いて、こういう時はこのようにしようと決めております。その先生に聞くと、労災特掲がありますのでやはり難しいと言っていました。私は長年やっていますので、労災の中の精度が上がるのでいいのではないかという気がします。精度が上がれば、かなり査定効果がでるものと思います。
 
■ ところが、それを出した場合に、支払基金のほうで現有の職員でやるなら、これは相当の研修が要るし、あるいは現有の職員で足りなければ、そこの人員を新しく増やさなければいけないですから、人件費というものが当然変わってくると思います。そういう新しい体制に投資をした場合には査定率が維持されるから、その部分のコストはいままでどおり維持されて低く済みますが、審査の計算とか算定自体は、現状のまま支払基金に出したら、そこのところは安くなりますが、結局、査定のほうでコストが高くなってしまって、差引きしたらどっちがコストが高いのかなということになる可能性もありますね。
 国会の言っておられるのは、支払基金であれだけたくさんの人数を抱えて、組織もきっちりやっておられるのだから、労災は件数も少ないのだから、そこだけをきちんと見てもらったらそれで済むのではないですかという、何か部分的で単純な想定ではないかという気がするのですが。
 
■ 次回、事務局のほうには今日出た議論をたたき台風にまとめていただかなければいけませんので、少しずつ論点を確認していきます。論点の検討の対象、法律上の位置づけ、審査も途中までですかね。一応制度的な仕組みですから。いちばん重要なのは4の委託するとした場合にどんな問題が考えられるかということだと思います。ここのところで少しご意見をいただけたらと思います。
 先ほどからの議論を伺っていますと、「支払基金に委託するとした場合、対象業務はどこまでとなるのか」と。はっきりしているのは、とにかく業務上外の認定はこれは行政処分で、これはとても無理と。それからレセプトの審査。ここは、善し悪しは別として委託しようと思ったらできるかもしれないという議論ですね。もう1つ、保険者としての再審査がある。これは残さざるを得ないでしょう。だから、委託するとした場合に、いま支払基金でやっているすべてのことが委託できるわけではないということになるのではないかと思います。
 それから「労働局と支払基金で判断が異なった場合、どのように考えるか」ということですが、この判断というのは何の判断ですか。
 
■ 健康保険法で治ゆという概念は、おそらく法律上どこにもないですね。
> ありません。
> 良くなれば患者は来院しませんので。
 
■ 健保の場合、治ゆが重要になってくるのは、一旦治ゆすると、次のときに初診料が取れるのです。傾向的に治ゆにしてしまう医師がたまにいるのです。初診料が再診料より高くなるので。そういうことぐらいに影響するだけで、実際は慢性疾患で治ゆに○を付ける方はほとんどいないです。

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