救急医療

 

最終更新日 2017/09/13 DscyOffice Top
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A.歯科における一般的不快事項 B.救急蘇生法 C.臨床検査法と正常値  

A.歯科における一般的な不快事項

1.神経性ショック

原因 歯科治療に対する不安などのストレスに治療上の痛みが加わると、副交感神経興奮状態となる。
現象 (1) 心拍出量減少・血圧低下
(2) 心拍数の減少
(3) 意識を維持するのに必要な脳血流(成人:750ml/分)の減少による意識喪失
症状 (1) 顔面蒼白、冷汗、四肢無力、嘔気、徐脈、血圧低下
(2) 意識喪失
必要処置 歯科治療を中止しバイタルサイン(意識・呼吸・脈拍・血圧)のチェック
(1) 頭部を低く、両下肢を挙上、口腔内異物を除去、衣服をゆるめる
(2) 酸素吸入
(3) 徐脈に対してー硫酸アトロピン
(4) 血圧低下に対してーエフェドリン、塩酸エチレフリン
(5) 意識喪失に対してー呼びかけ、刺激

2.過換気症候群

原因 精神的ストレスにより発症、過換気による分時換気量の増加(10L/分以上)
若い女性に多い
現象 (1) 二酸化炭素の肺からの排泄が体内の生産を上回るためpHが上昇する
(2) 血液pHが上昇し交感神経が緊張
(3) 空気嚥下
症状 (1) 口唇周囲・手足の知覚異常・しびれ感
(2) 筋強直・痙攣
(3) 頻脈・不整脈・胸痛
(4) 腹部膨満・腹痛
(5) 窒息感
必要処置 歯科治療を中止し半座位にする
(1) 規則正しい呼吸を促す
(2) 紙袋による呼気の再呼吸
(3) ジアゼパムの投与

3.アナフィラキシーショック

原因 アレルギー反応T型で最も重篤なもの。抗菌薬やエステル型局所麻酔薬で起こり得る。アミド型では非常にまれ。グルコ酸クロルヘキシジンでも発現が確認されている。
現象 (1) 抗原が体内に入ると、IgE抗体が生産される
(2) IgE抗体は組織の肥満細胞や血中の好塩基球に接着する
(3) 再び抗原が体内にはいると、肥満細胞や好塩基球の細胞表面上で抗原とIgE抗体が結合、抗原・抗体反応がおきる
(4) 肥満細胞と好塩基球が活性化され、細胞から化学伝達物質が遊離される
化学伝達物質:ヒスタミン・セロトニン・キニン・SRS・A・ECF・A
症状 進行の速い種々な重篤な症状
(1) 皮膚:蕁麻疹・浮腫
(2) 消化器:嘔吐・腹痛・下痢
(3) 呼吸器:胸部圧迫感・気管支痙攣・呼吸困難・気道閉塞
必要処置 抑臥位にし、血圧計等モニター機器を設置
(1) 気道・静脈の確保、酸素吸入、人工呼吸
(2) 抗ヒスタミン薬・エピネフィリン・アミノフィリン・副腎皮質ホルモンの投与

 バイタルサイン

 A.意識状態 意識障害

 意識障害は重篤なショックの際にもみられる。出血量が循環血液量の20、25%(1000、1250ml)程度では収縮期血圧の低下とともに不穏状態がみられる程度であるが,30%(1500ml)を超えると収縮期血庄は60・90mmHgまで下降して意識が混濁し,40%(2000ml)を超えると血圧測定不能となり,ついには昏睡に陥る。

 B.血  圧

 一般に収縮期血圧90mmHg未満の状態をショックという。平常時150mmHg以上の高血圧患者では平時より60mmHg以上下降した場合,また平常時110mmHg以下の低血圧患者では平時より20mmHg以上下降した場合にショックと判断する。ショック患者では血庄を持続的かつ正確に観察することが重要であるため,動脈内にカテーテルを留置し,観血的に動脈庄を監視することが行われる。

 C.脈  拍

 生体は,循環血液量の減少による1回心拍出量の減少を脈拍数の増加で補おうとする結果,脈指数の増加すなわち頻脈が出現する。この変化は通常,血圧低下に先立ってみられる。

 D.呼  吸

 ショックに際しては,末梢循環障害に起因する代謝性アシドーシスを呼吸性に代償しようとする生体反応が起こり,呼吸数は増加し過換気状態となる。しかしながら,ショックが遷延あるいは重篤化すれば呼吸中枢の機能が障害され,意識障害の進行とともに呼吸抑制も進行し,ついには呼吸停止に至る。

B.救急蘇生法

1.診断(心停止の判定)

(1) 頸動脈の触知不能、血圧測定不能
(2) 瞳孔散大、対光反射の消失
(3) 皮膚、粘膜の蒼白
(4) 心電図による確定診断(心停止・心室細動・高度の房室ブロック

2.救命処置(歯科診療室では一次と二次救命処置が行える)

「蘇生法のABCD」

Airway control:気道確保

オトガイを挙上することによって気道を確保する

Breathing support:人工呼吸

マスクとバッグにより人工呼吸を行う

Circulation support :心マッサージ

心停止後3・4分以内に開始する(脳血液確保のため)
@ 患者を硬い場所に寝かせる
A 術者の両手を重ねて胸骨の下半分の位置に置く
B 成人で胸骨が3・5cm・小児では2・3cm陥凹する力で圧迫
C 回数は成人で80・100回/分・小児は100回/分
D 人工呼吸を必ず併用する
  術者が1人の場合:人工呼吸2回、心マッサージ15回を繰り返す
  術者が2人の場合:人工呼吸1回、心マッサージ5回を繰り返す

Drug & fluids:薬物と輸液

救急薬の投与

救急薬の投与

偶発症 症  状 薬 剤 名 備 考
Allergy 湿疹・かゆみ・喘鳴・アナフィラキシー 軽症⇒クロールトリメトン(抗ヒスタミン剤)1A(10mg)筋(静)注 眠気が出ることがある
重症⇒ソルコーチフ(副腎皮質ホルモン剤)1V(100mg)静(筋)注
重症⇒ボスミン(エピネフィリン)1/4・1/2A(0.25・0.5mg)筋(皮下)注
痙攣 筋強直・不随意運動・意識喪失 ホリゾン(ジアゼパム)1・2A(10・20mg)静注 症状を見ながら、ゆっくり静注
喘息   メプチン(塩酸プロカテロール)を口腔内に噴霧  
狭心症   ニトログリセリン0.3mg/1Tabを舌下に投与  
徐脈   硫酸アトロピン0.5mg/Aを皮下・筋・静注  
低血糖   ブドウ糖(20%)20ml静注 飲んでも良い
                   

 

 

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