診療室の独り言

 

最終更新日 2017/09/13

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100 医療関係の独り言の見出し
101 社会保険診療の取り扱い等の情報の囲い込み 102 校医をやっている学校の生徒の健診による来院
103 社保の扶養者の保険加入の日付の記載 104 保険証の確認
105 妊娠時の歯科健康診断 106 鋳造歯冠修復物の除去と即処
107 カルテの略号 108 医師法違反事件に思う
  110 公的病院の未収金
111 カルテはどこにあるべきか? 112 人工呼吸器のスイッチ入れ忘れ事故
113 休日(時間外・深夜)加算について 114 歯科医師会関係の一考察
115 医療機関の安全性 116 医療情報の公開時の問題点
117 歯科医師会の情報伝達法 118 レセプト用紙の様式について
119 ユニット配管の汚染 120 ファイルの破折
121 中医協贈収賄事件  
123  124 レセプトのOCRエリア
125 打ち出の小槌 126 学校保健の医療券の診療について
100 医療関係の独り言

01 社会保険診療の取り扱い等の情報の囲い込み。

 現在社会保険診療に関する情報は主として歯科医師会を通じてしか入ってこない。行政当局に直接問い合わせをしても、「歯科医師会ではどう言っているんですか?」と言って個人には直接答えてくれないことが多い。

 税務や他の行政情報が公にされているように、社会保険情報も行政が一括して取り扱う必要が有ると思われる。そうすれば県毎の解釈の違いなどと言うことは生じないと思われるし、その統一した規則に則った取扱いにより、要らぬ誤解や、いざこざを防止することが可能である。

02 校医をやっている学校の生徒が検診により来院した場合に初診料が算定できない点。

 校医を行っている学校において歯科検診を行い、その結果に基づいて校医の元に受診した場合、初診料を算定できない規則がある。その規則に意義を唱えるつもりはないが、実態はどうであろうか?保険の指導にあたると事務担当者からは必ず聞かれる内容であるが、「ありません」と答えるという建前が通用しているような気がする。私は幸いに校医をしている学校まで5km位あるためこの様な件は無いが、校医をしている学校が近かったり町に1件しか歯科医院が無い所などにおいては問題である。そもそも、厚生省と文部省の管轄違いによって生じたいわゆるパグとも言えようか。

ここで間違えて欲しくないのは、学校健診で診断まで行われて、それに基づいて校医のもとで診療を行ったときの取扱いであり、校医のもとで診断を行って処置をした場合には初診料から算定可能なのである。

03 社保の扶養者の保険加入の日付の記載が無いものがあるため、資格取得日が不明。

 健康保険証の被扶養者の欄に資格取得日が記載されていないものがある。いくら被保険者の資格取得日が明確であっても被扶養者については異なることもあり、他保険からの変更の日付を把握するのに困ることがある。

04 月初めに保険証を確認しても、次の日に保険資格を喪失しても解らない。

 月始めの1回目の来院日には保険証を確認する様に言われている。しかし全ての人が持ってくるとは限らない。

先日この様な事例があった。「地元のレセプト点検センターからの照会で、患者(A)が5月6日付けで政管健保の資格が切れているので5月分の通院履歴と保険証の確認状況についてであった。」。幸いに5月1日の来院時に保険証を確認してカルテに記載してあったので、カルテのコピーを添えて返信した。その後連絡もなく減点もないところを見ると、5月分は全額認められたと思う。

しかしこの様な例は希で、保険資格が月の途中で切れるような人は月初めにも保険証を持ってこない事が多いのです。その場合は患者に連絡を取って新しい保険で請求すれば良いと言うかも知れませんが、そう簡単には行きません。実際そういう経験もあった、その際に患者に連絡を取ったところ所在不明。そうすると完全に不良債権化してしまいます。

なんとかならないかなあ、と言っても仕方がない。とにかく保険証の確認を励行することが肝心である。

05 妊娠時の歯科健診の保険適用。

妊娠時に母子手帳を持って歯科健診の申し出をした場合、自費にて健診を行うか、保険で行うか?

社保担当理事に聞くと、社保でも自費でも良い。母子手帳への記載に関する文書料は、取っても良いと言う人と、悪い人とがある。この様に内容が異なるのは根拠のない判断で回答するからだと思われます。患者側からの不審に繋がらない様に統一してくれないかなあ・と思う。 

06 鋳造修復物を除去してKPした場合即処算定不可な点。

 インレーをはずしてインレーの印象を取る場合においては、即処でなくKPで算定するのが本則です。しかし、疑義解釈でこの場合も即処算定可と言われています。それはそれで有り難いことなのですが、いつ本則を盾に「不可」と成るか分かりません。現に厚生省指導では不可の指導がなされている。「即処」が「単治+覆罩+KP」になれば、カルテは面倒になるし、1処置あたり約40点の減点。1月に200の即処例が有り30%が該当すれば、2400点の減点である。(2000/04の点数改正で、即処は姿を消した。その代わり修形が新しく登場。この場合にはインレーを除去してもそのまま修形が算定可能である。)

07 カルテ記載において、材料などの略号がどうして追加されないのか。

いろんな処置や材料が増えているにもかかわらずカルテ記載の略号が増えない。合理化したいのに。
2000/04の改正の際新しい診療項目が加えられたためいくらか略号は追加された。

108 医師法違反事件に思う 99年9月

先日の新聞に出ていた記事である。「青森県八戸市の民間病院で、10年前に脳卒中で入院していた患者(65才)が死亡した際、入院費260万円の支払が滞っていることを理由に死亡診断書の交付を拒否して、医師法違反で調査中とのこと。ちなみにこの患者を引き取った長男(33才)は自己破産で無職とのこと。」

これについて思うことであるが
(1) 入院費が260万円にもなるまでどうして処理できなかったのか?もし、患者に支払い能力が無いならば「生保」などで処理できなかったのか?

(2) 医師・歯科医師は診療応召の義務があり、経済的な理由により診療を拒むことはできない。もし患者に支払い能力が無いと解っていても診療せざるを得ない。ではその支払われなかった診療費は誰が負担するのか?医療機関か?それでは酷であろう。この様な場合の救済措置も講じず、「診療応召の義務」だけが強調されるようでは困る。以前、無保険の外国人の診療の際にも問題になったことであるが、もう一度制度として検討しなければならないであろう。

110 公的病院の未収金 99年11月

 地元の公立病院の話だが、
 先日の広報によると、同病院の未収金が約16億円(入院・外来合計)あるそうである。同病院の年間事業収入が約120億円であることからすると、未収金の比率は年間収入の実に13%にものぼる。
 同病院の医事課によると、未収の主たる理由は「自己破産・病院で亡くなった患者の遺族から払ってもらえない」等の理由だそうだ。

そしてここで見過ごしされる点であるが、この16億円はあくまでも「一部負担金」レベルでの金額であることだ。仮に一部負担割りを2割と仮定すると、医療費ベースではその5倍の約80億円の不良債権があると言うことである。その内の保険者支払い分がたまたま支払われていると言うだけに過ぎない。

実に年間事業収入約120億円の約2/3の80億円の不良債権と16億円の未収である。これが一般企業で有れば当然つぶれてもおかしくない数字である。

 この未収金は、何らかの手段で受診者より取り立てるべきものなのか、公的資金で補填されるべきものなのか、また民間の病院でこの様に未収金が生じた場合経営に影響が無いのだろうか。(後に調べた所、保険者における一部負担金の減免規定があるらしい。)

111 カルテはどこにあるべきか? 2000年1月

 現在の医療システムにおいて、カルテは個々の医療機関に存在しそのネットワーク化は図られていない。つまり、「歯科」「内科」「眼科」に受診していると、それぞれの医療機関に3つのカルテが存在するのである。

 もちろん、現代のように情報技術が発達していなかった時代に構築されたシステムであるので、カルテの作成は紙でできた用紙上に依存していたので当然の事なのではある。
 しかし昨今の情報技術の発達はめざましいものがあり、1999年4月には「電子カルテ」も認められるようになった。しかし現時点に置いては、ただ単に紙のカルテが電子化するだけのことで、各医療機関のネットワーク化は進んでいない。これは、いまだに医療というものが「与えるものと言う上位からの視点」で考えられており「受診者側からの視点」で考えられていない証拠の一つである。

 そこで「カルテはどこにあるべきか?」と言うことを考えてみたい。

 「カルテは誰のためにあるか?」と言う議論は最近耳にするようになったが、その議論の一端においては「カルテはどこにあるべきか?」と言う視点も必要である。

 カルテの所在の場所としては
(1) 医療機関
(2) 受診者の手元
(3) 「医療情報センター(仮称)」等の公的情報センター

(1) は、今までと同じように各医療機関に紙(もちろん電子でも良いが)のカルテが存在する方式である。この方法の最大の欠点は、「医療情報の開示の一般化を阻害」「各医療機関における1人の診療情報の共有化が難」の問題である。

(2) は、「1患者1カルテ」と言う考え方をもとに受診者がカルテを有し、医療機関に受診の際に持参する方法である。そのカルテの形態は、もちろん「紙のカルテ」と言う方法も考えられるが「ICカードを使用した電子情報」が有効であろう。しかしこの考え方は現実的ではない。なぜならば、受診者が忘れてきたら意味がないからである。そして電子情報ではせっかく受診者に渡された医療情報を顕読しにくいからである。

(3) は、実現性に置いてはかなりクリアしなければならない問題が多いが、検討に値する1方法だと思っている。
受診の際には、各医療機関から「「医療情報センター」から患者データを読み込み診断治療を行う。そして、その場でカルテとして作成したデータをリアルタイムに送信し会計をする。簡単に言うと、医療界のPOSシステムである。
 最近、「東京都新宿区医師会」で、サーバーをおいて電子カルテのネットワークを組んだようである。参加医療機関は8診療所と2病院(国立国際医療センター・東京厚生年金病院)であるとのこと。今後の発展が期待されます。
この方法を取れば
● 各医療機関の診療情報を一元化できる。
● 受診が望んだときにはいつでも顕読できる。(端末の整備が不可欠であるが)
● 保険資格情報も保存してあるので保険証を持ち歩かなくても良い。
● 医療機関における不正行為の予防に役立つ。
● 原則としてレセプト請求などの事務処理を合理化できある。

● システムの整備に費用がかかる。
● 情報の漏洩などの可能性をどう防ぐか。
● コストをかけただけのメリットがあるのか?

 とにかく、どの方法にしても時代にそくして「何かする」必要があるのは間違いない。

# 参考: 診療録の外部保存に関するガイドライン

112 人工呼吸器のスイッチ入れ忘れ事故 2000/01/24

 昨日、人工呼吸器により生命維持を図っている患者において、体の清拭のために一時人工呼吸器のスイッチを切っておいた後、スイッチを入れ忘れ呼吸不全で死亡した事故があった。基本的には担当した看護婦(ベテランだったらしいが)のケアレスミスで有ったようだが、ここでも「人間のミスをカバーするシステムの不備」を痛感する。

 オーストラリアの鉄道は長距離を走り、直線区間も長い。単調な運転のため居眠り運転をすることも有るであろう。そこで、5分おきにブザーが鳴り、そのブザーのスイッチを切らなければ自動的にブレーキがかかるシステムが有るそうだ(又聞きの情報であるが)。そのシステムにより、居眠り運転による暴走をくい止めようと言うことであろう。

 このことを今回の「スイッチ入れ忘れ事故」に当てはめれば、
 一度、人工呼吸器のスイッチを入れたら、面倒な(切る)のスイッチを押さないとスイッチが切れないようにする。そして一時停止の必要があれば、停止のスイッチを押して一時停止する。その後一定時間後に警告のブザーが鳴り、停止解除のボタンを押さないと自動的に運転スイッチが入る。もし、継続して停止状態にしたければもう一度停止のスイッチを押す。
 この様に、人間のミスをカバーするシステムが必要なのである。
 日頃から思うのであるが、医療機器は「機能的には充分であるが、異常時のリスクマネージメントが考慮されていないシステムのものが多すぎるのである。」 

113 休日(時間外・深夜)加算について 2000/05/24

 昨今、「お盆は国民的休日として定着しているので、この期間の休日診療に対しても休日加算を」という要求がある。それに対して、「24時間体制の診療所や日曜、祭日にも診療を行っている診療所が多発すれば、休日加算自体が要らない」という論調がある。
 前者の要望に対する答えは、「役所や銀行は休みでないから年末年始休み違う」ということであり、お役所や銀行を比較対象として持ち出している。
しかし、役所や銀行は土曜日は休みである。しかるに、診療報酬において土曜日は休日加算の対象とはなっていない。都合の悪いところは比較対象として使わず、都合の良いところだけ比較対象にしているようである。
 また後者の休日加算自体が要らないと言う論旨であるが、たしかに都会を中心にそのような医療機関が増えてきているのは事実である。しかし、医療過疎地域においては今後ともそのような医療機関が増えるとは思われない。そうすると、24時間休日診療している数少ない医療機関まで通院するということになり、弱者にとっては困った結果となる。そうなれば地域の医療機関は、休日加算無しに実質的に休日深夜診療を行わなければならなくなるであろう。結果的に医業経営を圧迫するようになるであろう。

114 歯科医師会関係の一考察 2000/06/03

 先日、地元の(都道府県)の歯科医師会の資料が届いた。その内容は「定款・規則」「平成12年度事業運営方針」「平成11年度決算・12年度予算」である。その中には、歯科医師会本体だけでなく関連団体(専門学校・労働保険組合等)の資料も含まれていた。しかし歯科医師連盟の予算・決算書は見あたらない。
 規則には歯科医師連盟のものも載っていたので当然含まれていなければならないはず。やはり、歯科医師連盟の決算書には一般会員に隠さざるを得ない内容が載っているのであろう。
 歯科医師会への積極的加入、そして公益法人として歯科医師会が行えない政治活動を補完するための歯科医師連盟の存在と当然加入、そして目的を遂行するための自民党支持、これらは良いとしても、会員から徴収した会費の用途も明らかにできないような歯科医師連盟の活動にはやはり「?」を付けざるを得ないのか?
 まぁ、そのうち別に送られてくるのだろうが。

115 医療機関の安全性 2000/06/10

 以前、当院の取引銀行の支店長から聞いた話であるが、その支店長が医学部が開設された際に、銀行の支店の立ち上げのために医学部に頻繁に出入りしていたとのこと。
それ以来、支店長の子供が色々な病気にかかるようになったと言うことである。支店長が言うにはどうも病院から貰ってくるみたいであるとのこと。

 それを考えると元々病院と言うところは危ない所だという前提で考えなければならないであろう。
例えば胃腸病で病院の内科に通院していて、待合室で隣の人からインフルエンザやおたふく風邪を貰って帰るケースもあるであろう。それより何よりそれらを診療する医療関係者にはさらに感染の危険性がある。

その感染の機会として一番リスクの高い科の一つとして歯科が上げられる。
 手術室的診療室で宇宙飛行士の着るような手術衣を着て治療しても、たぶん歯科関係者で笑う人はいないであろう。

 ちなみに某市内の小児科でも感染症患者(児)は入り口、待合室が別になっているところがある。といっても、感染症の種類毎に待合室を分けることは不可能であるのは言うまでもない。

 それと同じような問題に医療機関内への携帯電話の持ち込みがある。
いくら掲示しても注意しても、後を絶たない。中には「バイブレーターになっているから」と言う人もいるが勘違いであることは言うまでもない。
 蕎麦屋で隣の人の携帯電話のせいでペースメーカー使用者が異常をきたしても、新聞ネタになることはあっても、蕎麦屋の主人が責任を問われたり、非難をあびたりする事は無いであろうが、医療機関内で同様な問題が生じれば医療事故と混同される場合もあり得る。
 最近JR内でも「混雑時の携帯電源切」が実行されるようになってきたが、以前後を絶たないようである。
医療機関を始め公共施設やガソリンスタンド内では携帯の電源を切る心構えをしたいものである。
この中で
● 公共施設ではマナーとして
● 医療機関やガソリンスタンドにおいては電波による障害
と、目的が分かれるのも言うまでもないであろう。

116 医療情報の公開時の問題点 2000/06/18

 最近色々な意味での情報の公開が求められている。その情報を分類すると「病名・診断・処置」と言ったカルテ情報と、「一部負担金の明細・診療報酬請求」と言った会計情報となるであろうか。厚生省でも昨年のレセプトの開示を始め今後のカルテの開示をも含めた姿勢である。私としてはこの様な原則開示の方向性には賛成であるが、その反面、情報の公開により様々なトラブルが生じる可能性が指摘される。そして、その原因となるのが、医療システムそのものが開示を前提として構築されていないことがある。 
 医療情報の開示と平行して、開示を前提としたシステムの作成が急がれる。

117 歯科医師会の情報伝達法 2000/08/17

 歯科医師会の情報の伝達法に置いてInternetを利用しようと言う議論の際、「会員にはすべて平等に情報を伝達する必要が有り、現在のInternetの普及率からすると、その利用は適切な方法ではない。」と言う主張を耳にする。

これはもっともなことである。歯科医師会に限らず、今後社会全体に置いてデジタルデバイド(情報による経済格差)は必ず議論される事柄だと思われる。しかし、見方を変えるとInternetの普及率が何%になったときが、利用すべき時なのであろうか?少なくとも100%に近づくことは、近い将来において考えられる事ではない。

 また、現在会報などの手段において配信されている情報は、果たして全会員に対して平等に公開されているとは言えるのであろうか?歯科医師会の活動から生じる膨大な情報を数頁の会報などで配信することは不可能であり、たぶん有るところに情報がよどんでいる可能性がある。これらの情報を会員に配信する方法としてInternetは非常に有効な方法なのである。しかし、前述のようにInternetにアクセスできない人に対する配慮をどうするかという問題は別な手段で解決する必要があると言うことは言うまでもない。

 極端な話し、行政など原則として国民に情報を公開する事が望ましい部署の、例えば会計の出納帳簿をInternet上に作成すれば、それこそガラス張りの会計が可能であろう。

118 レセプト用紙の様式について 2000/08/23

 現在の歯科のレセプトの様式はいわゆる表形式になっている。かつてはB5番の大きさだったものも、数年前A4番に拡大されてかなり余裕がでたというものも、未だに狭苦しい枠組みの中に詰め込まれている感じがする。そして、実際にはそのほとんどが空白のまま提出されているのが実状である。
 この様式は、かつての手書きのレセプト時代の名残を残し、いわゆる手書きがし易い形式である。しかし、現在レセコンの普及率は50%を越え、電子カルテも視野に入るこの時代に、レセプトの様式の転換を検討しなければならないであろう。

 現在の歯科診療における平均実日数は2・3日、1実日数における処置の記載で一番多いもので義歯の装着がある。それ以外のケースにおいては処置項目は平均して5項目程度であり、レセプト1枚あたりの項目数はせいぜい15項目程度である。これらを、今までのように表形式で打ち出すのではなく、いわゆるカルテ形式に打ち出すことが有効である。その上で、集計などは処置のコード番号などにより別記すれば良い。

ではこの方式によってどの様なメリットがあるか?
(1) 歯式・病名・処置が関連づけられて表記され、また診療日毎の処置の流れが明白となり、審査がし易い。
(2) 関連づけにより、摘要欄記載の必要性が少なくなる。(例・1歯2窩洞、コンビネーション修復)
(3) レセプト改定の際の手間がかなり削減される(複雑な表組の修正の必要がない)

デメリット
(1) レセコンの普及率が100%ではない現在、手書きのレセプトにおいてはかえって繁雑になる。
(2) この様な大幅な改訂はなかなかコンセンサスが得られるのが難しい。2000/09/30

119 ユニット配管の汚染 2000/09/30

 飲料水には相当の細菌が含まれており、全国基準(米国)は500cfu/mlと言われているが、CRA(CLINICAL RESERCH ASSOCIATES」の調査では、一般的に使用されている飲料水中の細菌濃度は遙かに上回った。ADAの理事会は2000年までに歯科用ユニット内の一般細菌数を200cfu/ml以下におさえることを決めた。全米各地の246台のユニットの調査では350〜7000000cfu/mlと言う結果。
その原因として
● ユニット内の細菌の発生源は、ユニットに取り込まれる水道水、工事時の汚染、ユニットの逆流弁の不十分による逆流。
色々な検査によりユニットの水で、患者や術者が健康を害する可能性は低いがゼロとは言えない。

以上はある雑誌からの引用であるが、日本国内においてそして歯科医師会や学会において、これらユニット配管内の汚染について議論されることは希である。今後の議論が期待される。

120 ファイルの破折 2003/12/16

(チタンファイルと電動モーターの相性)

うちでは平成15年4月から根管治療用のチタンファイルとしてヨシダのK3を使用しています。チタンファイルとしては以前からクアンテックなどを使用してはいたものの、いまいちだったのであまり使用頻度は高くなかった。しかし、今回のK3はなかなかの優れもので、根管治療の効率アップに非常に役に立っていると感じています。

本来K3の為には根管拡大用マイクロモーター TCMエンドが用意されています。しかし、うちには以前からモリタのトライオートZXがあり、なかなか相性が良かったので通常はトライオートZX+K3という組み合わせて使っています。

それが昨日トライオートZXのバッテリー部の劣化で急遽TCMエンドを使用したところ、見事にファイルを折ってしまった。
もちろん、慣れないせいで回転数やトルクの設定を間違えたのが原因ではあるもののトライオートZXの使用時にはあまり気にも留めていなかった
ことであるし、実際破折といったトラブルを経験したことがなかっただけにトライオートZX+K3の組み合わせのマッチングに感心する次第である。

121 中医協贈収賄事件 2004/05/07

先日、日歯会長兼日歯連盟会長をはじめ7名の贈収賄による逮捕者がでた事件は記憶に新しいことです。

この事件において、報道で中心として取り上げられている項目は、「か初診」の算定率である。しかし、平成14年4月に「か初診」を導入した際に
は、算定率60%を念頭に保険点数の改定が行われ、義歯の点数を中心に補綴部門で大幅なDownが行われたのである。

しかしながら、実際蓋をあけて見たところ、「か初診」の算定率は10%未満と低迷したのである。従って、点数改定の結果は大幅なDownとなった。
それを踏まえ、「か初診」の算定率をUPするために、中医協や厚生労働省に働きかけをしたのが事の発端のようである。
ここまでは、当然のこととして受け止めなければならない。
しかし、結果的に贈収賄に発展したのは何故であろう?

それは、日本においては通常論理的に物事がきまるシステムが無いことも一因ではないかと思われる。つまり、一部のボスの意向が通るということ
であり、物事を通すときにはこれらの人たちに「うん」と言わせなければならないのである。つまり、そういった背景が贈収賄といった事件の温床
になっているのである。

124 レセプトのOCRエリア 2005/01/29

 社保のレセプトは以前からそうであったが、今年の4月から国保のレセプトもOCR記載が開始される。まぁ、それは良い。OCRであれ、バーコードであれ事務の効率化や正確化のために行う試みとして評価すべき事ではある。
 しかし、もともとOCRエリアの確保を前提としないで作成されたレセプトのレイアウトである。その最下段の空白部を利用しているので用紙の縁ギリギリに印字しなければならないので印字上の余白が確保できない。うちで使用しているプリンタを例に取ると、インクジェットプリンタは「四辺縁なし印刷」が可能なのでA4用のプリンタでもA4の用紙の下段ギリギリに印刷することができる。しかし、インクジェットプリンタでレセプト印刷するのは印字コストや印字スピードの点から合理的では無い。ところがレーザープリンタでは用紙の下段ギリギリに印字することができないので、A4対応よりも数倍高価なA3対応レーザープリンタを買うはめになってしまった。
 合理化や効率化を考える上で一方的な視点から構築すると、別な面での非合理化や非効率化を生み出すことは多々見られる。まぁ、それはそれで仕方ないとしよう。しかし、それらのしわ寄せが一方的に医療機関に押しつけられているような気がするのである。せめて、保険証くらい全保険者で統一しカードリーダーで読みとるようなシステムくらい作っても良いような気がするがいかがであろうか。その結果保険資格確認が効率化され、また過誤が少なくなり支払基金や国保連、そして保険者の事務負担の軽減に通じると思われるのだが、こういった試みはまったく行われる気配はない。

 ■ 国保連のOCRエリア基準
 レセプト左用紙端から30mm、右用紙端から5mm、下用紙端から3mm以上、OCRエリア高さ19mm
 これをみると、用紙下端から3mm以上と書いてあるのでプリンタの印字エリアに合わせて5〜6mmにすればよいという考え方もある。しかし、歯科のレセプトは記載レイアウトが定められており、A4という用紙の大きさに膨大な記載が行われるのでなかなかスペースがとれないのである。
 まぁ、やるとすれば「用紙合わせ」でなるべく用紙の上方に印字されるように設定し、プリンタの印字エリア内にOCRエリアを納めるしかないのである。そのうちやってみようかと思う。

 ということでやってみた。
 今まで使っていたA3対応のCanon LBP-1710ではもちろん下部のOCR領域まで印字されていた。OCR領域以下の余白は7mm(ただし、これは印字余白設定で変更できるが)。
 そして、A4対応のCanon LBP-1210ではどうか?とくに裏技を使ったわけではないが、きちんとOCR領域も含めて正常に印刷できたのである。ち
なみにこの場合のOCR領域以下の余白は8mm。LBP-1210の余白は5mmとなっているので、印字レイアウトで余白を5mm以上で作ればなんのことはない、印刷できるのではないか?  なお、レセコンはMICのLAPECである。

ただ、これはあくまでも印字スペースだけの問題である。レセプト印刷となると多くの枚数の印刷をいっきに行う必要があり、パーソナルの安いA4レーザープリンタでは給紙枚数も限定され、また冷却ファンがついていないので連続印刷による内部温度の上昇によるトラブルも考えなければならない。だから実際のプリンタ選択の場合にはそれらを勘案する必要がある。
 たとえば現時点でCanonのLBP-1210にはファンはないが、LBP-1310であればファンがあるようである。その他の機能などを勘案すると1210はあくまでもパーソナル用として、レセプトの印刷などを考えれば1310あたりがひとつの選択肢となろうか。

 かつて、歯科医師会の通信費の削減と称し会員にFaxを買わせ、現在、又通信費の削減と事務の合理化と称しE-mail配信を唱え、会員にパソコンを買わせる。その結果IT化の名の下に、歯科医院のIT関連機材費、メンテナンス、通信費などの負担は急激に上昇している。
 はたして歯科医院のIT化は必要か?少なくとも費用対効果を考えた対応が必要なのは言うまでもない。

125 打ち出の小槌 2005/04/16

A 措置法26条

2500万円以下 社保収入×72%
3000万円以下 社保収入×70%+50万
4000万円以下 社保収入×62%+290万
5000万円以下 社保収入×57%+490万

仮に年間社保収入6000万の医院があったとする。
診療科によっても異なるが、薬剤費の割合は30%前後と言われる。
その他に一般経費を30%とすると、所得割合は40%で金額にして2400万円となる。
経費実額は3600万

その医院で仮に院外処方箋にシフトしたとすると、収入は6000万×70%=4200万、所得割合は約57%で2400万円
経費実額は1800万円

しかし5000万を下回ることによって措置法の使用が可能となる。つまり措置法を使うと、措置法経費は4200万×57%+490万で2884万円。
つまり所得額は4200-2884=1316万となる

一般経費が40%のときはどうであろうか?最初は、経費実額は4200万で所得額は1800万

院外処方にすると、売り上げ4200万、経費実額2400万円 所得額1800万円、措置法では4200-2884=1316となり措置法差額が500万程度


B 今まで措置法を使っていた医院での試算

収入5000万 医薬品費30%(1500万) 一般経費40%(2000万) 所得30%(1500万)
院外処方にすると
収入3500万 医薬品費0 一般経費57%(2000万)所得43%1500万

措置法5000-3340=1660(つまり実額経費の方がメリットが大きい)
措置法3500-2460=1040
つまりケースAにしろBにしろ、措置法差額が大きくなることにより節税となり実質可処分所得の増加につながるのである。

つまり、医薬分業の推進は
(1) かかりつけ薬剤師の機能を主体とした本来の役目
(2) 薬剤師の職場の確保
(3) 医師の実質可処分所得の底上げ
などの効果をもたらした意味で、陰の功労者である。
歯科においてもこういった旨い手法があればなと考えるこの頃である。

以上の計算は院外処方にシフトした時の処方箋料などは加味していないので計算には誤差があり、経費率などの諸条件にもよるが。

126 学校保健の医療券の診療について 2009/09/03

「学校保健の医療券」と聞いて「あぁ、あれ」と思われる方と「それ、何?」と思われる方がおられるでしょう。そもそも、この「学校保健の医療券」、

学校保健法第17条(地方公共団体の援助)において「学習に支障を生ずる恐れのある疾病で政令で定めるものに罹り、学校において治療の指示を受けたときは、当該児童又は生徒の保護者(学校教育法第二条第一項に規定する保護者を言う)で、次の各号の1つに該当するものに対して、その疾病の治療のための医療に要する費用について必要な援助を行うものとする。」と定められており、その援助対象は以下のように定められている。
1 生活保護法第6条第2項に規定する要保護者。
2 生活保護法第6条第2項に規定する要保護者に準ずる程度に困窮している者で政令で定める者。
@ 要保護者(現に生活保護法によって保護を受けているといないにかかわらず、保護を必要とする状態にあるもの)の世帯
A 準要保護者(教育委員会が要保護者に準ずる程度に困窮していると認めるもの)の世帯

つまり、学校から治療勧告が出されても経済的事情で受診が困難な児童に対して援助しようというものである。

# 学校保健法による治療上の注意
@ 生活保護法の他法優先規定により、生活保護家庭の児童の歯科医療は学校保健法による治療が優先する。
A 学校保健法第17条には「地方公共団体は、その設置する小学校・中学校又は盲学校・聾学校もしくは養護学校の小学部もしくは中学部の児童又は生徒が」とあるように、対象はいわゆる公立(市町村立)小中学校の児童だけで、国立又は私立の小中学校の児童は援助対象とはならない。
B 税務上、学校保健法による診療は「自費診療」扱いとなる。この場合、計算上「学校保健法10割の診療」では大きな赤字になる場合もある。

さて、話はもどるが、このような学校保健法による医療だが、県によっては「現物給付」になっている所もあり、「金銭給付」になっている所もあるようだ。従って、冒頭の記述のように、現物給付で発行される医療券を見たことがある人もいれば見たことも無い人もいるのである。

では、どうしてそのように異なっているのか?それは、この学校保健法による医療援助の主体は地方公共団体であるので、運用を開始した時点での細則の決め方が異なったことが原因だろうと推測するしかない。
では、この援助を定めた旧文部省の見解はどうなのだろうか?
その根拠となっているのは昭和39年3月1日に文部省体育局学校保健課から出された「学校保健法に基づく医療費補助事務に関する手びき」による。
この文書には、以下のように記載されている。
@ 援助の方法は、原則として現物給付とするが、現物給付によることができない場合、またこれによることが適当でないときは、金銭給付することができる。
A 援助の方法は、現物給付すなわち地方公共団体の経営する医療機関もしくは薬局において、または教育委員会があらかじめ指定し、委託した等の医療機関又は薬局によって、診療・薬剤又は治療材料の支給・処置・手術等により行うことが適当であること。ただし、これらの現物給付によることができないときまたはこれによることが適当でないときは、金銭給付すなわち上記以外の医療機関又は薬局において医療を受けた後、その費用を支給する方法をとること。
B 医療費は、健康保険の診療報酬を基準とするものであるから、教育委員会または教育委員会から医療費支払いの委任を受けている学校は、あらかじめ医療機関等と医療費支払いの条件等について、契約ないし協議をしておくことが望ましい。

これによると、「原則は現物給付」で「金銭給付は例外」ということになる。また、「指定医療機関制度が適当」と書いてある。つまり、「原則は現物給付で、指定医療機関が望ましい」とされていながらも、諸般の事情により「金銭給付」とされていたり「現物給付として医療券が発行されていながらも指定医療機関制度をとっていない県がある」ということになる。

では、文部省の指針を守らないとどうなるか?

# 現物給付: 全国のどのくらいの割合で金銭給付を行っているかはわからないが、少なくともあることは確実で、この場合には給付対象者が一時的にしろ医療機関の窓口で一部負担金を支払い、その後市町村(教育委員会)で償還払いをうけるということになる。この支援策の目的が「経済的な弱者」に対するものであることを考えると、一時的にしろ資金繰りが必要となるのは趣旨に反するのかもしれません。

# 指定医療機関制度: これも、全部の都道府県を調査したわけではありませんが、少なくとも指定医療機関制度をとらないで現物給付としている都道府県があることは事実です。学校保健法における医療援助は冒頭にも述べたように、「要保護者」と「準要保護者」に対して行われます。「準要保護者」の場合には一般に社会保険等に加入しているケースで、学校保健法における医療援助はその一部負担金に対してとなります。この場合、医療券を取り扱う医療機関においては、一部負担金分を地域の市町村の教育委員会に請求し支払を受ける形となり、その事務負担は別として診療収入上の問題はおきないと考えられます。それに引き替え、「要保護者」に対する医療援助は、その対象がいわゆる「生活保護需給家庭」にあたり、社会保険には加入していないので医療費の全額が学校保健の医療券扱いとなります。そして、この場合その医療費は税務上の自費診療にあたるということになります。税務上の自費診療になれば、社会保険診療報酬とどこが違うか?それは「経費率」と「事業税」ということになります。

# 経費率: 通常歯科医院の多くは青色申告を行っていると思います。そして、その中の何割かの医療機関では「措置法26条」を使用しています。この措置法26条を使用した場合、自費診療部分の経費率は保険診療の75%として計算されます。これは、一般に自費診療費は各医療機関が自由に決めることができ、保険診療の医療費より高く設定されているため、相対的に保険診療よりも経費率が低いという考えに基づいています。しかし、学校保健法における医療費は、前述のように「保険診療を基準とした額」とされており、単に経費率を低いと計算すれば利益率が高くなり、結果として所得税や住民税が増加し、税引き利益額を圧迫することになる。そして、計算上赤字になるケースも出てくる。ちなみに、税務上の自費診療として比較できる保険診療に「労災保険」がある。この場合には点数そのものは保険診療準拠であるが、1点の点数が12点であり、また加算の金額などもあるため実質的には15点相当と考えられる。そもそも自費診療は各医療機関で自由に決めることが可能なので、15割であろうが20割であろうがかまわないが、こういった労災保険の実情を踏まえ、自賠責保険による診療でもこの15割を基準として請求している医療機関が多いとも聞く。
つまり、社会保険診療とは異なった学校保健法による診療を指定医療機関でも無い医療機関が10割の金額で強制的に請け負わされる法的義務は無い。

# 事業税: 前の項の続きとなるが、自費診療であれば当然事業税の課税対象となり、その分社会保険診療よりも医療費が高くて然るべきである。

 この様なことから、学校保健法における診療はその趣旨と実情を考えると、旧文部省に指示通りに「指定医療機関制度を前提とした現物給付」が望ましいと考える。

 次に、学校保健法による歯科治療は、かつてはかなりの制限治療で現場の歯科医師を悩ませていたものである。その制限治療とは「乳歯にあっては抜歯により、永久歯にあってはアマルガム充填、複合レジン充填または銀合金インレーによりそれぞれ治療でき
るものに限る。」とされていたものを言う。これは、学校保健法施行令の第七条第五号に定められていたもので、これに基づけば、「永久歯の金パラのインレーや冠」も「乳歯の充填やインレーや冠、シーラント」といった治療が不可能となる。これは困ったことです。その後これが問題化して、国会の質疑でも取り上げられる事態となった。
# 参 156 予算委員会 学校保健法による歯科治療に対する国会質疑 平成15年1月29日
# 参 155 厚生労働委員会 学校保健法による歯科治療に対する国会質疑 平成14年12月12日
# 参 154 文教科学委員会 学校保健法による歯科治療に対する国会質疑 平成14年7月18日
その結果、「学校保健法施行令の一部を改正する政令」により、平成十六年四月一日から上記の制限治療は解消された。この結果には、陰で甚大な努力をなされた先生方がおられたことは敬意に値するが、この規則ができて約40年間これらの問題が放置されていたことは理解の範疇を越える。
また、前述の学校保健法の要保護者の医療費が保険診療10割で未だに放置されている背景には、学校保健法の医療費の請求は審査も無いため点数取り放題といった考え方が一部に残っているとも言われている。

ともかくも、本件に限らず、歯科医療を取り巻く問題を常に検証して必要な事項は速やかに改善するといった努力を惜しんではならないでしょう。裏を返せば、これらの問題が40年以上も放置されているのは、誰も「改善する必要は無い」と考えているということなのだろう。

 

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