ジルコニアブリッジにおける注意義務
Top 最終更新日 2019/07/19

■ 歯科医療のジルコニアブリッジにおける注意義務

# 東京地裁判決 平成24年1月19日
# 判決内容
・ 一部容認、一部棄却。

# 治療の経過
・ 平成19年10月26日に、大学病院で右上6から左上2までのMBBrを装着。(6)54(3)21(1)(2)。
・ 平成19年11月28日、より審美性を追求するために、Y歯科医院を受診。「白い歯で一番良いものは何か?」との質問に対し、Y歯科医は「セラミックとジルコニアがある」と説明。Y歯科医は、「ジルコニアは破折の可能性があるが5年保証」との説明の上、ジルコニアBrの装着を決定。
・ 平成19年12月4日、MBBrを除去し、Tecを装着。Brxの疑いあり。
・ 平成19年12月7日、Brの形成、印象。
・ 平成19年12月17日、ジルコニアBrを仮着。
・ その後、患者は糖尿病と心臓病の治療のため病院に入院。その際にB歯科医師が患者の口腔内を確認したところ、ジルコニアBrが右上65の間で破折を確認。
・ 平成20年1月7日、Y歯科医院で、右上6番から左上2番までのジルコニアBrと、左上3番から7番までのBrを除去。
・ 患者はY歯科医師らに対して、Y歯科医師に対しては不法行為で、Y医療法人に対しては債務不履行で連帯して1300万円あまりの損害賠償請求。

# 争点
・ 不適応なジルコニアBrを装着した過失、契約上の義務違反、説明義務違反、MBBrの装着治療に際しての過失、契約上の義務違反など。

# 裁判所の判断
・ 短期間でジルコニアBrによる補綴治療をあきらめる結果となり、ジルコニアBrは患者にとって不適応だった。ここで、「ブリッジのガイドライン」が根拠とされ、歯科医師は治療の際には咬合力や咬合関係を十分に把握して、適応性の確認が必要。当分、Tecで様子をみるなどの対応が必要だった。
・ ジルコニアBr代144万円、慰謝料10万円、弁護士費用15万円の、計169万円の支払いを命じた。

# 「医事法判例百選 有斐閣」の解説では、Y歯科医師は5年保証の説明は行って居るが、実際には3週間で除去するに至っている。5年間と3週間では、あまりに患者の期待度との隔たりが大きい。このように予期せぬ転帰となった場合、事後に高度の説明義務が課せられていると考える予知もあろう。と、書かれている。

※ たしかに、5年間と3週間を比較した場合、患者の期待度の落差は大きいとは思われるが、5年保証という意味合いをきちんと理解する必要があり、医療機関でも説明する必要があるだろう。この5年保証というのは、「通常5年間保つ」という意味ではなく、あくまでも経済的に5年間保証するという意味に過ぎないのではないか。つまり、治療の過程で5年以内に不具合が生じた場合には、無償で原状回復を行うという意味でしょう。逆説的にいえば、保証期間1年のテレビを買って3日で不具合が生じ、テレビの機能をなさなくなった場合には、無償で修理や新品交換をするという経済的保証を担保するにすぎないので、保証期間1年と3日のギャップが問題となることは通常無い。それと同等に考える必要があるのではないだろうか?

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